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電気通信大学 共同研究センターメール No.57 Web版

発行:2008年9月25日

目次

  1. 巻頭言
  2. イノベーションジャパン2008
  3. 第21回国立大学共同研究センター専任教員会議報告
  4. 第71回研究開発セミナー報告
  5. 対外活動と社会貢献

戦略展開プログラム採択

共同研究センター長 下条 誠

このたび本学は、文部科学省より戦略展開プログラムの機関に採択されました。事業期間は5年間です。これは、国際的な基本特許の権利取得などを図る国際的な産学官連携体制の強化や国公私立大学間連携等による地域の多様な知的財産活動体制の構築など、大学等の活動としては実施のリスクが高く、かつ,国として政策的観点から積極的に促進すべき活動を重点的に支援することにより、大学等の産学官連携体制の強化を図るものです。
今回本学は、特色ある優れた産学官連携活動の推進として、ソフトウェア関連の技術移転・共同研究・ベンチャー創出の増大を目論み、大学発技術移転の比較的難しい分野と考えられているソフトウェアの技術移転に戦略的にチャレンジ致します。そのために全学的教職員の意識改革とソフトウェア技術移転専門人材の育成を図る計画です。産学官連携戦略を遂行する上で、本学が得意とするソフトウェア技術をベースとする新たなスキームにチャレンジすることが本事業計画の特色です。ソフトウェア技術の移転、ライセンスは特許権のライセンスとは手続き、プロセスが大きく異なり、さらにプログラムソフト、組み込みソフト、シミュレーションソフト、データベース、デジタルコンテンツ等、ソフトウェアの性格によっても技術移転プロセスが異なります。そこで大学の研究、共同研究におけるソフトウェアの比率が圧倒的に高い本学の特徴を生かし、大学ソフトウェア技術移転の仕組み、スキーム(学内体制、情報発信・マーケティング、IT企業経由・研究会・コンソ−シアム等)作りにチャレンジし、それらのノウハウを蓄積して、成果を広く産学官に公開する計画です。
これまで知的財産本部整備事業期間中の5年間、本学では知的財産本部として必要な体制を、国際化も含めほぼすべて整備してまいりました。
これからの産学官連携戦略展開事業5年間、知的財産の管理・活用体制の整備、起業相談、起業家教育、ベンチャー・キャピタルとの連携などの事業化支援体制の強化などを図ることはもとより、過去5年間の体制整備事業の成果を更に発展させ、大学研究成果のソフトウェア技術の移転、共同研究、ベンチャー創出を増大させる計画です。皆様からのご支援のほどよろしくお願いいたします。

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イノベーションジャパン2008

平成20年9月16日(火)から3日間、日本全国の大学が学内に保有する優れた知財、産業シーズを広く産業界に紹介することを目的に、(独)科学技術振興機構(JST)、(独)新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の主催、文部科学省、経済産業省、内閣府、日経BP社の共催で有楽町の東京国際フォーラムにおいて第5回目となる表記展示会が開かれました。別名を「大学見本市」と称し、国公私立の大学の展示では最先端技術7分野のシーズ展示が329ブース、大学知財本部72ブース、全国のTLO(技術移転機関)が19ブース、大学発ベンチャービジネスが21ブース、独立行政法人や地方自治体の研究機関が13ブース、その他に大学発ベンチャー支援機関、産学連携に取り組む主催者のJST、NEDOが出展しました。また、ブース展示以外では、注目される新技術やビジネスモデルを研究者が自らプレゼンテーションする「新技術説明会」で215件の発表(発表のみで展示のないもの70件を含む)、著名人の講演を行う「イノベーションジャパン2008フォーラム」などのプログラムで、今年度は主催者発表で45,000人以上の入場者があったわが国最大の大学関係展示会です。今年は特に5周年特別企画として慶応大学の電気自動車「Eliica」プロジェクトおよび安倍晋三 前総理による国家イノベーションに関する講演がありました。
基調講演は初日の16日午前には三菱電機(株)取締役会長の 野間口 有 氏による「オープンイノベーション時代の産学官連携の意義」、17日午前には 梶山 千里 九州大学総長による「知の新時代を拓く−大学におけるイノベーション戦略−」、18日午前には(株)ナノエッグの 山口葉子 氏の「バイオベンチャーの生き残り方−ナノエッグ成功の秘訣−」、筑波大学の 山海 嘉之教授による「イノベーションを育てるために−『HAL』開発の立場から−」の4件が行われました。
シーズ展示は、「環境」、「アグリ・バイオ」、「医療・健康」、「ナノテク・材料」、「ものづくり」、「IT」、「新エネルギー・省エネルギー」、の7分野に分かれて展示しました。
電通大の出展は、大学・知財部門で「知財本部・共同研究センター」、TLO分野で「(株)キャンパスクリエイト」、シーズ展示では情報通信工学科の 西 准教授の「デジカメ・ムービーの高分解能手ブレ計測・補正評価システム」、情報工学科 笠井教授の「軽量コンテンツアクセスを実現するモバイルビデオAJAX配信技術」、 情報システム研究科 曽和 教授の「柔軟な高精細映像処理に向いた超高性能超並列キューコンピュータ」、電子工学科 早川 教授の「電磁気手法を用いた地震短期予知法の開発」、電子工学科 田中 教授の「安価な設備によるDLC膜の被覆方法」、量子・物質工学科 牧 助教の「ホタル生物発光を利用した多色発光材料」の6研究室が展示および新技術発表会でプレゼンテーションを行いました。
また、17日午後には特別協賛セミナー「スーパー連携大学院:構想と意義」が開催され、 梶谷 学長が構想を述べました。この他に計8回の企画プログラムで各種の取り組みが紹介されました。
来年も開催の予定ですので、教員諸氏も一度御見学いただいて、もし出展してみたいと思われましたら、是非、共同研究センターに御相談下さい。

イノベーションジャパン2008での展示
イノベーションジャパン2008での展示

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第21回国立大学共同研究センター専任教員会議報告

共同研究センター専任准教授 田口 幹

第21回国立大学共同研究センター専任教員会議は、9月4日(木)、5日(金)に、当番校である宇都宮大学により栃木県総合文化センターで開催されました。
今回の会議は、共同研究センター専任教員を取り巻く環境の変化を認識し、今後について考えるテーマが4つの分科会で議論されました。今回の会議は各大学で共同研究センターが知的財産本部やインキュベーション施設などとの組織統合が進み、専任教員のミッションに大きな変化が起こりつつあることをふまえ、各共同研究センターが抱える問題点や課題について議論し、情報を共有するとともに、今後の各センターの活動の参考にすること、および、専任教員同士がお互いをよく知り合って、本音で語り合える仲間、相談できる仲間をできるだけ多く作ることを目的としています。
本年度の会議の公式参加者は57大学89名、その他、文科省から講演2名、金沢大学長はじめ、学内関係の聴講者7名の計96名となりました。
第1日目は、菅野 長右エ門 宇都宮大学長から開会のご挨拶に続き、全体会として開催校の 庄司 弘樹 准教授を議長に選出後、幹事会を代表して北見工業大学の 鞘師 守 教授より会議の趣旨説明がありました。その後、文部科学省 研究振興局 研究環境・産業連携課 技術移転推進室の小谷 和浩 室長から文部科学省の施策説明として「我が国の産学官連携の現状と課題」と題した基調講演がありました。
その後、「専任教員ミッションの変化・拡大と専任教員会議のあり方」、「産学官連携人材の育成・評価と学内体制の整備」、「地域における産学官連携」、「大学間連携」の4つの分科会に分かれて、よりつっこんだ報告と議論が重ねられました。85分を超える議論の後、再び、全体会が開かれ、各分科会での議論について報告を行いました。また、会則の一部変更を承認した後、来年度の本会議の幹事と幹事長を選出し、来年度の国立大学法人共同研究センター専任教員会議は岩手大学を当番校として開催することが承認されました。最後に山本 純雄 宇都宮大学 理事の閉会のご挨拶で本会議は終了しました。夕刻からは、会場をレストラン オーベルジュ・デ・マロニエに移して情報交換会を行い、和やかな雰囲気の中、さらに意見交換を深めて第1日目を終了しました。
第2日目は、オプショナルツアーとして宇都宮の工業団地に立地するマニー(株)の工場見学を行いましたマニー(株)は医療用器具では世界的なシェアを誇る企業です。マニー(株)の応接室をお借りして宇都宮大学の地域共生研究開発センター、オプティクス教育研究センター、アグリ支援機構の紹介もなされました。

文部科学省 小谷室長の基調講演
文部科学省 小谷室長の基調講演

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第71回研究開発セミナー報告

地域・産学官推進機構 客員教授 桑江 良昇

第71回研究開発セミナーは、『「国の支援制度を活用して開発・実用化」− 活用のポイントと成功事例 −』を基調テーマに以下の要領で開催しました。
日時:2008年9月9日(火) 13:00〜16:30 (16:35から個別相談会)
場所:電気通信大学 総合研究棟 3階 マルチメディアホール
参加者:46名

  • 「NEDOテーマ公募型事業の概要〜これで分かる応募の仕組み〜」
    NEDO技術開発機構 研究開発推進部 統括主幹 友田 正敏 様
  • 「小型風力発電機で世界オンリーワンに〜風で世界を変える〜」
    ゼファー(株)代表取締役社長 伊藤 瞭介 様
  • 「JST産学連携・技術移転支援事業の概要〜産・学の研究開発を強力に支援〜」
    JST産学連携事業本部 産学連携推進部 産学連携推進課長 野口 義博 様
  • 「味覚センサー開発・事業化物語〜人工舌はここまで来た〜」
    (株)インテリジェントセンサーテクノロジー 取締役 内藤 悦伸 様

前半はNEDOアワーで、NEDO((独)新エネルギー・産業技術総合開発機構)関連2件のご講演をいただきました。
まずNEDO友田様は、テーマ公募型事業である、産業技術研究助成事業、イノベーション推進事業(産業技術実用化・研究開発型ベンチャー・次世代、等)、新エネベンチャー技術革新事業、SBIR技術革新事業、および知的基盤研究開発事業の概要、採択審査方法、などについてご説明しました。これら事業のうち、ゼファー(株)は研究開発型ベンチャーに当時採択された旨のご説明がありました。会場から、支援する事業の範囲や非常勤教員の人件費等、活発な質疑・コメントがありました。
続いてゼファー(株)の伊藤様は、開発した小型風力発電機が、今年7月に洞爺湖サミットで展示され、NEDO事業終了後も、NEDO等から強力な支援があったことをまず紹介されました。続いて有志の集まりにより産学官共同開発プロジェクトチームが結成され、研究開発に成功したことを述べられました。最後に、今後低炭素社会の実現に貢献したいと力強く話されました。会場から、耐久性や補助金等に関する活発な質疑・コメントがありました。
後半はJSTアワーで、JST((独)科学技術振興機構)関連2件のご講演をいただきました。
まず、JST野口様は、JSTの技術移転関連事業である、産学協同シーズイノベーション化事業、独創的シーズ展開事業(委託開発型、等)、技術移転支援センター事業(特許出願支援、等)、地域イノベーション創出総合支援事業(重点地域研究開発推進プログラム、等)の概要についてご説明しました。会場から、科学技術基本計画との関係、文系の事例、つなぐしくみ、新技術説明会とInnovation Bridgeとの関係、等について、活発な質疑・コメントがありました。
(株)インテリジェントセンサーテクノロジーの内藤様は、味覚センサーの開発販売の歴史に触れ、開発については、膜、センサー、および装置と段階的に進展すること、うち、センサーについては九州大学都甲教授と共同研究中であることを説明されました。平成17年〜19年には、JST委託開発事業として、装置および甘味用膜を開発し、JSTに約束した目標値を全て達成したと述べられました。会場から、成分分析による可能性、オンリーワン企業か否か、等、活発な質疑・コメントがありました。
企画者としては、今回のゼファー(株)、(株)インテリジェントセンサーテクノロジーの二例とも、年一度、政府等が主催する産学官連携推進会議での産学官連携功労者表彰に、折を見て応募を検討されたらどうかと感じました。
なお、今回、講演会後に個別相談会(事前登録制)を開催し、NEDO友田様、JST野口様には相談員として各々相談に乗っていただきました。

第71回研究開発セミナーの様子
第71回研究開発セミナーの様子

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対外活動と社会貢献

地域貢献部門会議

平成20年7月4日(金)、東6号館803会議室において平成20年度第3回目の会議が以下の議題で開催されました。

  1. 今秋のイベント開催について
  2. その他報告事項

平成20年9月2日(金)、東6号館803会議室において平成20年度第4回目の会議が以下の議題で開催されました。

  1. 今秋のシンポジオンの内容について
  2. 西東京市本町小学校の学生ボランティアについて
  3. 渋谷区との連携について
  4. その他報告事項

大学タイアップセミナー(野村證券(株)立川支店)

平成20年9月3日(水)16:00から、野村證券(株)立川支店において「技術のお悩み解決しませんか」と題して表記セミナーが開催され、田口 准教授が電気通信大学の産学連携と研究の紹介を、量子・物質工学科の林 茂雄 教授が「超音波洗浄機を科学する」と題して技術セミナーを、(株)キャンパスクリエイトの安田耕平社長が「まずは相談を(連携のツボ)」と題して産学連携への取り組み方について講演しました。参加者は立川市近郊の15社から17名で皆様に満足いただけたようです。

神奈川県産業技術センター大学見学会

平成20年9月11日(木)14:00から、神奈川県産業技術センターの企画で電気通信大学見学会が開催されました。今回は知能機械工学科の山田 幸生 研究室、村田 眞 ・久保木 孝 研究室、田中 一男 研究室を対象としました。まず、共同研究センター4階研修室において田口 准教授が本学の産学連携についてご紹介した後、3先生に研究内容を概説していただきました。その後、2班に分かれてそれぞれの研究室を見学しました。見学の後、共同研究センター4階に於いて各先生方も参加されて情報交換会を行い、キャンパスクリエイトのコーディネータたちとの名刺交換が行われました。参加者は神奈川県産業技術センターの 馬飼野 副所長を含めて16名でした。

コラボ産学官理事会・常任理事会

平成20年7月10日(火)、コラボ産学官プラザ in Tokyo において有限責任中間法人としては第2回目の理事会が開催され、田口准教授が出席ました。
平成20年9月3日(水)、コラボ産学官プラザ in Tokyo において有限責任中間法人としては第3回目の理事会が開催されました。

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