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電気通信大学 共同研究センターメール No.56 Web版

発行:2008年6月25日

目次

  1. 巻頭言
  2. 第7回産学官連携推進会議(京都)参加報告
  3. 第70回研究開発セミナー報告
  4. JST「電気通信大学 新技術説明会」報告
  5. 第4回産学官連携 DAY in 電通大
  6. 第13回 共同研究成果報告会
  7. 情報通信整備機構(NICT)「民間基盤技術研究促進制度」説明会
  8. お知らせ
  9. 対外活動と社会貢献

電気通信大学の研究ポテンシャル

共同研究センター長 下条 誠

このたび本学は、文部科学省より戦略展開プログラムの機関に採択されました。事業期間は5年間です。これは、国際的な基本特許の権利取得などを図る国際的な産学官連携体制の強化や国公私立大学間連携等による地域の多様な知的財産活動体制の構築など、大学等の活動としては実施のリスクが高く、かつ,国として政策的観点から積極的に促進すべき活動を重点的に支援することにより、大学等の産学官連携体制の強化を図るものです。
今回本学は、特色ある優れた産学官連携活動の推進として、ソフトウェア関連の技術移転・共同研究・ベンチャー創出の増大を目論み、大学発技術移転の比較的難しい分野と考えられているソフトウェアの技術移転に戦略的にチャレンジ致します。そのために全学的教職員の意識改革とソフトウェア技術移転専門人材の育成を図る計画です。産学官連携戦略を遂行する上で、本学が得意とするソフトウェア技術をベースとする新たなスキームにチャレンジすることが本事業計画の特色です。ソフトウェア技術の移転、ライセンスは特許権のライセンスとは手続き、プロセスが大きく異なり、さらにプログラムソフト、組み込みソフト、シミュレーションソフト、データベース、デジタルコンテンツ等、ソフトウェアの性格によっても技術移転プロセスが異なります。そこで大学の研究、共同研究におけるソフトウェアの比率が圧倒的に高い本学の特徴を生かし、大学ソフトウェア技術移転の仕組み、スキーム(学内体制、情報発信・マーケティング、IT企業経由・研究会・コンソ−シアム等)作りにチャレンジし、それらのノウハウを蓄積して、成果を広く産学官に公開する計画です。
これまで知的財産本部整備事業期間中の5年間、本学では知的財産本部として必要な体制を、国際化も含めほぼすべて整備してまいりました。
これからの産学官連携戦略展開事業5年間、知的財産の管理・活用体制の整備、起業相談、起業家教育、ベンチャー・キャピタルとの連携などの事業化支援体制の強化などを図ることはもとより、過去5年間の体制整備事業の成果を更に発展させ、大学研究成果のソフトウェア技術の移転、共同研究、ベンチャー創出を増大させる計画です。皆様からのご支援のほどよろしくお願いいたします。

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第7回産学官連携推進会議(京都)参加報告

産学官等連携推進本部 客員教授 竹内 利明

第7回産学官連携推進会議は、6月14日(土)、15日(日)に、国立京都国際会館で開催されました。
内閣府の岸田 文雄 特命担当大臣(科学技術政策)の基調講演、株式会社 三菱電機 野間口 有 取締役会長の特別講演で始まりました。
今年は、昨年にも増して参加者の出足が早く、基調講演が始まる時には、2階席の一番上まで満席状態でした。今年の参加者数は、約4,200名とのことですので、昨年実績の4,144名とあまり変わらないようですが、実感としては昨年を上回る人数が参加しているように感じました。
本会議の目的は、日本経済の発展のためにはイノベーションが必要で、イノベーションを実現する有力な手段のひとつに産学官連携があり、その推進のために「産」、「学」、「官」それぞれが、何をすべきかを議論することにあると考えます。毎年1回京都に産学官連携の関係者が集まり、お互いに1年間知恵を絞り取り組んできた産学官連携活動を紹介して、結果としてよい事例を全国に普及啓蒙することが産学官連携推進のエンジンになり、それが日本のイノベーションのエンジンとなり、日本経済の発展に寄与すると考えます。ここで学ぶべき産学官連携の成果は、研究内容の解説から得られるものではなく、連携における各種課題の克服方法だと思います。しかし、多くの展示は産学官連携による研究成果で、成果を出すために、どのように知恵を絞る工夫したのかというポイントを紹介しているケースは、ほとんどありません。研究成果を紹介する場は、秋に東京で開催されるイノベーションジャパンがあり、ここには多くの企業関係者が来場しています。京都の産学官連携推進会議は、産学官連携が成果を上げるために、産学官それぞれが何をすべきかを徹底的に議論する場として、展示もそれに合わせて、1年間どのような工夫をしてきたのかを紹介する場にすることを提案したいと思います。

産学官連携推進会議参加電通大関係者
産学官連携推進会議参加電通大関係者

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第70回研究開発セミナー報告

地域・産学官推進機構 客員教授 石川 浩一

第70回研究開発セミナーは「技術マーケティングと研究開発マネジメント」をテーマとして、平成20年4月23日(火)13時30分から総合研究棟301号室で開催しました。参加者は59名でした。
セミナーは下条リエゾン部門長のご挨拶の後、石川客員教授から今回のセミナーの趣旨の説明と日本能率協会の紹介がありました。
続いて、(株)日本能率協会コンサルティングR&D戦略事業部 チーフ・コンサルタントの 庄司 美穂 氏から「魅力商品を生み出す技術者マーケティング」〜仮想カタログ法のすすめ〜 と題して以下のような講演がありました。
現在の企業には、技術部門の顧客志向が重要になってきている。これは、従来のマーケティング・営業主導が限界となっているからで、技術者自らがマーケティング志向とならなければならない。このとき重要なのは、結果評価のCS(顧客満足度)志向になってはならないことで、仮説検証型のCF(Customer Focus)志向になるべきである。これを具体化するためには、顧客ニーズを引き出す以外にはないのだが、顧客は何も教えてくれない。したがって、潜在ニーズを引き出すために工夫が必要となってくる。仮想カタログ法は、これを解決する手法のひとつで、この方法論で作成したツールを持って顧客に提案することにより、顔の見えなかった顧客(ニーズ)が見えてくる。こうした技術者マーケティングにより、R&D部門は日常の戦略性を高めていくべきである。
次に(株)日本能率協会コンサルティングR&D戦略事業部 チーフ・コンサルタント 平木 肇 氏から「実践・研究開発プロセス革新」〜課題ばらしのすすめ〜と題して以下のような講演がありました。
R&Dの現場は弱体化してきている。これを解決していかないと、革新はない。研究開発プロセスを変える切り口としては、1)フロントローディング、2)コンカレント(CE)、3)“見える化” があり、これらを実現した研究開発プロセスをFF型開発という。フロントローディングとは、総合的な問題解決を「早期」に行い、開発の完成度を引き上げることで、この鍵は源流部分での「知恵だし」にある。いわば、問題解決の前倒しである。CEが目指すものは源流連携とスピード連鎖である。これらのPDCAサイクルを“見える化”することによりFFサイクルが出来上がり、開発プロセス全体やひとりひとりの仕事とのやり方を先行指向型へと変えていくことができる。課題ばらしとは、技術者の仕事の質を高める手法であり、目指すのは組織的「課題解決力」の向上である。課題晴らしをすることで、フロントローディングを実践でき、FFサイクルを回せるようになる。方法論はいろいろあるが、課題を効率的に出していき、戦略的なR&Dに結びつけていくべきである。
本センターで開催している「研究開発セミナー」は最新技術の紹介が多かったのですが、今回は(株)日本能率協会総合研究所 MDB事業本部の 石川 浩一 客員教授の企画でマーケティングに関する話題で開催されました。学内の教職員の関心も高く梶谷学長を始め11名の教職員が熱心に参加されていたのが印象的でした。

第70回研究開発セミナーの様子
第70回研究開発セミナーの様子

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JST「電気通信大学 新技術説明会」報告

産学官連携コーディネーター(客員教授) 比企 春夫

独立行政法人科学技術振興機構(JST)の新技術説明会は、未公開特許を含む、ライセンス可能な特許技術を紹介し、大学の研究成果を社会に還元する絶好の機会として、たいへん好評を博しているものです。その新技術説明会を、平成20年5月13日(火)午後、電気通信大学として初めて、下記の内容で開催いたしました。
事前申込み者数が236人に達し、会場の設営を工夫しても収容できない恐れが出てきたため、途中からキャンセル待ちの参加証を発行しての対応となりました。当日の来場者は、143人とキャンセル待ちおよび当日受付の35人の計178人でした。また、各説明の聴講者数は90人〜120人となり、JSTの新技術説明会としては、特別に多い事例とのことです。相談コーナーでの面談は16件あり、その後の問い合わせ、技術相談、共同研究に向けての面談等のフォローを(株)キャンパスクリエイトのコーディネーターと協力して進めています。

主催:国立大学法人電気通信大学、独立行政法人科学技術振興機構
共催:(株)キャンパスクリエイト(電気通信大学TLO)
後援:(社)目黒会(電気通信大学同窓会)、(独)中小企業基盤整備機構
会場:東京・市ヶ谷 JSTホール

プログラム

13:00〜13:10 主催者挨拶
13:10〜13:20 JSTの産学連携・技術移転支援事業のご紹介
13:20〜13:30 中小企業と地域に役立つ産学官連携について(中小機構)
13:30〜13:40 電気通信大学の産学官連携活動紹介
13:40〜13:50 (株)キャンパスクリエイト(電気通信大学TLO)の活動紹介
13:50〜14:20 「UWB、WiMax、W-LANに対応したプリント基板フィルタおよび積層フィルタ」(和田 光司 准教授)
14:20〜14:50 「キュー計算原理を用いた超高性能、小電力、小プログラムサイズ、簡単ハードウエアプロセッサと並列化コンパイラ」(曽和 将容 教授)
14:50〜15:20 「ICタグ時代の新在庫管理、SCMツール」(松井 正之 教授)
15:30〜16:00 「安価な装置で平滑なDLC膜を作る方法」(田中 勝己 教授)
16:00〜16:30 「デジカメ・ムービーの手ブレ計測・補正評価システム」
(西 一樹 准教授)
16:30〜17:00 「3次元空間への実物大かつ実操作可能なスケッチを用いたデザイン支援環境」(田野 俊一 教授)
17:00〜17:30 「赤外線レーザー照射による熱可塑性樹脂の無損傷溶着法」
(黒ア 晏夫 客員教授)
17:30〜17:40 閉会挨拶
17:40〜18:40 情報交換会

相談コーナー

説明後の質問は受け付けない代わりに、各説明個別の<相談コーナー>が用意されました。

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第4回産学官連携 DAY in 電通大

地域・産学官連携推進機構 客員教授 竹内 利明

4年目を迎えた産学官連携DAY in電通大は、平成20年6月4日(水)に学内外から約680名が参加して開催しました。基調講演に先立ち梶谷 誠 学長が産学官連携DAYへの参加のお礼の挨拶をしました。基調講演は大学院のベンチャー・ビジネス特論の授業を一般公開する形で開催、一般参加者と学生合わせて約360名が出席して大教室が満員になりました。講師は北海道から株式会社植松電機専務取締役の植松 努 氏をお招きして、「独創力:0から1を創る人材教育」をテーマに講演していただきました。たいへん感動的な講演で、授業中に涙を拭いながら聞いている学生も多く、講義終了後、講師に握手を求める人が数多く並びました。
今年は、初めて先端ワイヤレスコミュニケーション研究センター(AWCC)が参加して、講演会及び研究室公開を行いました。
講演、公開ともに多くの企業関係者が集まりました。
今年も例年と同様、電気通信大学の産学官連携活動を一堂に集めて、企業の皆様に1日で全てを体感していただける機会を作ることを目的に企画しました。電通大発ベンチャー企業展示コーナー、第12回学生・一般アイディアコンテスト(ショートプレゼンテーションの後パネル発表)、第13回共同研究成果報告会、機器分析センター設備公開、共同研究相談会(本学TLOである株式会社キャンパスクリエイトの産学連携コーディネータ)、特許相談コーナー(知的財産本部弁理士)、各種ポスターセッション(平成19年度SVBL究成果報告、学生・一般アイディアコンテスト優秀賞成果報告)を開催しました。昨年に続いて(独)情報通信研究機構(NICT)から本学が受託した「民間基盤技術研究促進制度(地域中小企業・ベンチャー重点支援型)」は、説明会に代えて公募相談会を開催しました。3件の相談会に合わせて21件の相談があり、過去最多となりました。また、小山商工会議所、東京都異業種交流プラザ21、電気通信大学共同研究センター事業協力会の3つの団体が見学会に合わせて会合を開催して、ともに理事で三木 哲也 地域・産学官連携推進機構長が挨拶して懇談させていただきました。

基調講演の様子
基調講演の様子

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第13回 共同研究成果報告会

第4回産学官連携 DAY in 電通大の一環として第13回共同研究成果報告会を開催しました。発表されたのは以下の6件でした。

  1. 新規金属錯体に関する研究
    〜室温双安定性を目指したスピンクロスオーバー錯体の合成開発〜
    ○大曽 裕也、小山 将正、野上 隆、石田 尚行(電気通信大学)
    小金 民造(K-arin21)
  2. 円管の曲げ加工における軸押し力によるへん平化の抑制
    ○高橋 和仁、久保木 孝、村田 眞(電気通信大学)
    小野 数彦、矢野 巧造((株)小松製作所)
  3. 歩行計測システムの開発    
    ○片野 広大、平澤 正輝、岡田 英孝、下条 誠(電気通信大学)
    河原 宏太郎(イナバゴム(株))
  4. 癒しの評価研究 −ペットロボットの場合−
    ○坂本 和義(電気通信大学)
  5. ヒト角層の光学特性値測定    
    ○岡本 光平、大川 晋平、山田 幸生(電気通信大学)
    桑原 智裕、岩井 一郎((株)資生堂)
  6. 赤外線透過放熱体を用いた熱可塑性樹脂のレーザー溶着
    −ファイバーレーザーの適用−     
    黒ア 晏夫(電気通信大学)    
    ○佐藤 公俊((株)キャンパスクリエイト)
    小柳 洋(東京計装(株))

○は発表者

口頭発表分と報告のみの論文を含む「第13回共同研究成果論文集」を発行しました。

共同研究成果報告会の様子
共同研究成果報告会の様子

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情報通信整備機構(NICT)「民間基盤技術研究促進制度」説明会

産学官等連携推進本部 客員教授 小川 俊也

本学地域・産学官連携推進機構 産学官等連携推進本部は、独立行政法人情報通信研究機構(以下NICT)が行う「民間基盤技術研究促進制度」に基づく研究課題の提案公募についての募集等に係わる委託業務(競争的企画提案公募)を平成19年度につづき平成20年度も採択となりました。
平成20年度の提案公募は1回/年度となり、既に募集は終了しました。本学がNICTと連携して行った受託業務は、主として公募に係わる広報と申請者支援活動等です。
公募事業の説明会と相談会を平成20年4月25日に長野県諏訪市、5月9日に秋葉原ダイビル、5月12日に共同研究センターの3会場で行いました。また、産学連携 DAY in 電通大においても相談会を開催しました。

説明会の様子
説明会の様子

相談会の様子
相談会の様子

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お知らせ

OPAL-RING vol. 4(Web版)

好評を頂いている「研究室紹介 共同研究初めの一歩」の第4版102研究室分が完成しました。今回も分野別に分類し、キーワード検索機能もあります。下記のアドレスから御覧になれます。また、PDF版もダウンロードできます。ご利用ください。
URL: http://www.kikou.uec.ac.jp/ からご覧になれます。

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対外活動と社会貢献

産学官等連携推進本部運営委員会

平成20年4月18日(金)、共同研究センター4階研修室において第13回運営委員会が以下の議題で開催されました。

  1. 共同研究及び受託研究の受入れについて
  2. 客員教員について
  3. 大学発ベンチャー認定について
  4. 「地域・産学官連携推進機構」の自己点検・評価について
  5. その他報告事項

平成20年5月16日(金)、共同研究センター4階研修室において第14回運営委員会が以下の議題で開催されました。

  1. 共同研究及び受託研究の受入れについて
  2. 客員教員について
  3. 大学発ベンチャー認定について
  4. その他報告事項

地域貢献部門会議

平成20年4月24日(金)、東6号館803会議室において平成20年度第1回目の会議が以下の議題で開催されました。

  1. 平成20年度の事業計画について
  2. SICEの創作工房について
  3. 三鷹ネットワーク大学推進機構企画運営委員会委員の推薦について
  4. その他報告事項

平成20年5月30日(金)、東6号館803会議室において平成20年度第2回目の会議が以下の議題で開催されました。

  1. 学生ボランティア説明会について
  2. 学生ボランティア支援HPについて
  3. SICEでの創作工房への協力について
  4. 調布市特別支援学校との連携について
  5. その他報告事項

インターンシップ実行委員会

平成20年4月11日(金)、共同研究センター4階研修室において平成20年度第1回目の会議が、今年度の各学科専攻のインターンシップ担当教員のご紹介と共同研究センタースタッフ紹介の後、以下の議題で開催されました。

  1. 平成19年度の活動報告
  2. 平成20年度の活動計画(案)
  3. 企業への受入照会状況
  4. その他

大分大から来訪

平成20年4月25日(金)、大分大学イノベーション機構からイノベーション統括マネージャーの伊藤教授がおいでになり、田口 専任准教授と産学連携について懇談しました。

産学官連携推進に関する客員教授連絡会議

平成20年5月19日(月)、共同研究センター4階研修室において共同研究推進担当、リエゾン担当の客員教授の方々にお集まり頂いて、今年度の産学連携推進に関する連絡会議を開催しました。各先生の自己紹介と 三木 機構長のご挨拶の後、竹内 客員教授からリエゾン部門(共同研究センター)の活動紹介があり、種々意見の交換を行いました。

コラボ産学官理事会・常任理事会

平成20年6月3日(火)、コラボ産学官プラザ in Tokyo において有限責任中間法人としては第1回目の理事会が開催され、電気通信大学からの理事となった田口専任准教授が参加しました。

(社)首都圏産業活性化協会(TAMA協会)総会

平成20年6月12日(木)、八王子スクエアビルのイベントホールにおいて本年度のTAMA産業活性化協会通常総会と講演会が開催され、田口 専任准教授が参加しました。

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