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電気通信大学 共同研究センターメール No.43 Web版

発行:2005年3月30日

目次

  1. 巻頭言
  2. 第58回研究開発セミナー報告
  3. 第59回研究開発セミナー報告
  4. 対外活動と社会貢献

大学の新しい課題

共同研究センター長 中嶋 信生

これは、大学を応援して下さる皆様や、教員諸氏ならびに大学執行部へのお願いであります。今までセンターメールでは産学連携活性化を前提で話をして参りました。その背景は、産学官の連携、地域貢献などの促進が大学の使命の一部として叫ばれるようになったためです。少子化、予算削減も関係しています。しかしこのような状況下で、大学が教育を主体として、どのように生き抜いて行くのか、それに対して産学官連携、地域貢献はどのようにかかわって行くのかは、必ずしも関係者の合意事項となっていないように思います。まずは、意見交換してコンセンサスを得ましょうというのが今回のお願いです。

米国の大学では、共同研究は重要な事業であり、その費用の多くが(半分以上の場合もある)間接経費となって大学運営や学生の生活費を支えています。その代りに特定の企業との共同研究に費やす時間は、教師だけでなく学生を含め多いと予想されます。一方わが国では、共同研究費はその研究に必要な用途に限られ、間接経費はこれまで殆ど認められていません。これらは両極端ですが、効率化係数(年1%)により年間予算が次第に減っていく国立大学法人では、今後それに代わる予算を確保せねばなりません。これまでですと、産学連携はほとんど個人活動であり、本来業務である研究・教育を損なわない範囲で行われてきましたが、これからは間接経費の割合を増やす代わりに、産学連携も本来業務の1つとしてしっかり位置づけるべきと思います。ただし産学連携を進めるあまりに研究の質を下げるのは好ましくありません。どうすればよいか、進め方はよく考える必要があるでしょう。

大学の地域貢献も新しいキーワードですが、大学にとってのメリットは何でしょうか?
実はよくわかっていない人も多いのではないでしょうか?もちろん地域の活性化は国にとって重要ですが、大学はそれに協力すべきということなのか、地域貢献そのものが大学の目的に沿っているのか。大学発ベンチャーも同様だと思います。

それら(産学連携、地域貢献、ベンチャー)の大学にとっての意義を、経営上の意義も含めて明らかに示し、貢献した人々を評価するシステムを作ることが今最も重要と考えます。

教員の任期制が最近話題になっていますが、任期制には評価が必ず伴います。研究・教育だけでなく、上述の対外活動についても評価に含めるよい機会です。

以上は私見でありまして、皆様のご意見を期待します。

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第58回研究開発セミナー報告

第58回研究開発セミナーは「産学連携の人材育成W−インターンシップ−」をテーマに、2月3日(木)13:00〜17:00 、本学の共同研究センター棟415研修室で開催した。参加者は、企業・大学等36名、学生4名、合計40名であった。このセミナーは従来ベンチャービジネス概論の講座の一環に組み込み、多くの学生が参加したが、今回は組込みが適わず、学生の参加が少なかった。
共同研究センター長 中嶋 信生 教授の「開会のことば」に続き、「インターンシップ推進の現状と課題」のテーマで、東京経営者協会 インターンシップ推進支援センター 佐藤 鐵夫 氏の基調講演があった。日本経団連の傘下で受入側としての会員企業にインターンシップ受入を推進していただいている立場から、学生に対して、インターンシップ推進支援センターの活動の紹介と、学生から職業人に移行するに際して、キャリア形成の重要性とインターンシップがその序章になることを提示された。今後の課題としては、1)中堅・中小企業・ベンチャー企業の受入増大、2)高度な仕事や指導者の増大、3)2・3ヶ月の長期インターンシップの実施、4)一年次からのキャリア開発教育の開始を取り上げられた。
次に「SCCのインターンシップの取組み」−視野を広げ目標を発見しよう− というテーマで、(株) SCC管理統括本部 総務部 副部長 宮脇 晴記 氏が講演された。eDCグループの創業者 松尾 三郎氏の理念とSCCの会社紹介のあと、ユニークなインターンシップの紹介があった。特徴は1)第一線技術者による実務指導、2)実務の模擬体験3)プロジェクトチーム作業4)システム開発の上流工程の体験5)他大学の学生との共同作業などであった。参加した学生の感想文の紹介 まとめとしてSCCが求める人物像として、1)健康である2)創造し目標に向かい意欲を持って行動する3)継続して取り組む4)相手の立場に立てる5)困難でもやり遂げるなどが提示された。企業としては良い人材を確保したいため大学との連携は最重要課題であるとの心強いお話があった。
続いて、新日本無線(株)の半導体技術本部第二開発部で実施した電子工学専攻1年の横山 彩さん、(株)治郎吉商店で実施した情報工学科3年の菅原 典子さん、台湾の淡江大学に交換留学中にインターンシップを実施した電子工学科3年の柏崎 祥大君、そしてパイオニア(株)モーバイルエンターテイメントカンパニー川越事業所市販設計部で実施した情報通信工学専攻1年の友田 伸寛君の4名が報告した。20分の時間を十二分に使って、それぞれしっかりと生き生きしたプレゼンテーションで、企業の方々、学生に好評だった。
結びとして、産学官等連携推進本部長 森崎 弘 教授に「本学のキャリア教育について」と題し、平成17年度から新設される教科について経緯、計画内容、当面の問題点・課題などを解説していただいた。
今後、インターンシップはこのキャリア形成のための教育の一環として組み込まれてゆくことになり、事前教育や事後教育など学科専攻にわたって横断的な講座の開設が期待できそうだ。最後に、共同研究センター副センター長 田口 幹 先生に閉会のことばをいただき予定通りお開きとした。
今回は「受入側の総務人事部門のご苦労」をキーワードにして企画した。参加者の「アンケート回答」を読んで、参加者がインターンシップの実態を身近に感じ取ってくれたと確信する。これを機に、企業の総務・人事部門の方や直接指導者の方と協働して学生指導のマニュアル作りなど、中身の濃い、深みのある推進活動をしたいと思う。期末試験前であったことも影響し、学生の参加が少なく、講演者の方々には期待はずれになってしまったと反省している。できれば別の機会に再度学生に呼びかけてみたいと考えている。講演者の方々をはじめ、セミナー開催にご協力いただいた関係者各位に感謝いたします。

(2005.3.8記)共同研究センター客員教授 中野 喬

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第59回研究開発セミナー報告

第59回研究開発セミナーは、第1回電気通信大学MOTセミナーとして、「若くして大企業の経営に参加したエンジニア」をテーマに平成17年2月22日(火)13:00から電気通信大学総合研究棟3階大会議室において開催されました。
日本は技術立国を目指して、めざましい発展を遂げてきました。今後も最先端技術をもって大きく飛躍を図る必要があります。それを支えるのが現在の大学生、20・30代の若いエンジニアです。そのためには若いときに自分のビジネスモデルを確立しなければなりません。ここで言うビジネスモデルとは、まず目標を立て、目標に対して自分がどういうエンジニアになりたいかを描き、仕事の取り組み方を考え、なおかつ経営に参画していくことです。今回は若いときにビジネスモデルを描き、30代で役員になり、大企業の経営に参画していった3名の方々にお話し頂きました。
共同研究センター長 中嶋 信生 教授の「開会のことば」に続き、「これからの日本企業のあり方」と題して日本アイ・ビー・エム(株)最高顧問 兼 経営諮問委員会議長の 椎名 武雄 氏からご自身の経験に基づく大変示唆に富んだお話をいただきました。お二人目は元本田技研工業(株)取締役副社長 現(有)入交 昭一郎 代表取締役の入交 昭一郎 氏から「グローバル時代のエンジニア」と題して、大学時代からの夢を実現されていったご経験から、正しいと思ったことはたとえ神様のような社長とでも喧嘩するぐらいの意気込みで取り組んで初めて道が開けるというお話をいただきました。続いて「変化とチャレンジ〜技術プロデューサー〜」と題して、元カシオ計算機(株)専務取締役 現(株)オプトエレクトロニクス取締役会長、電気通信大学共同研究センター客員教授の 志村 則彰 氏からこれからの技術者は技術をプロデュースするという考え方でなければならないということをご自身のカシオ計算機での技術開発を例にお話になりました。その後、電気通信大学共同研究センター 竹内 利明客員教授の司会で椎名 武雄 氏、入交 昭一郎 氏、志村 則彰 氏をパネリストとしてパネルディスカッションが行われ、ご発表では言い足りなかったことを中心に、これからをになう学生たちに向けた熱い思いを語られました。
今回は大変著名な方々の講演ということで、80名を超える参加申込みがあり、急遽本センター研修室ではなく、総合研究棟の大会議室に変更して開催しましたが、それでも満員の盛況でした。

第59回研究開発セミナー パネルディスカッション
第59回研究開発セミナー パネルディスカッション

第59回研究開発セミナー パネルディスカッション

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対外活動と社会貢献

地域貢献部門会議

平成16年12月20日(月)、第9回の地域貢献部門会議が以下の議題で同部門長の人間コミュニケーション学科福田教授の研究室で開催され、田口専任助教授が参加しました。

  1. コンプライアンスについて
  2. コンセプト案について
  3. Webページの構成について
  4. その他報告事項

平成17年1月24日(月)、第10回の地域貢献部門会議が以下の議題で同部門長の人間コミュニケーション学科福田教授の研究室で開催され、田口専任助教授が参加しました。

  1. 課題担当リーダーからの報告
  2. その他報告事項

平成17年2月21日(月)、第11回の地域貢献部門会議が以下の議題で同部門長の人間コミュニケーション学科福田教授の研究室で開催され、田口専任助教授が参加しました。

  1. ボランティア活動参加登録フォームについて
  2. その他報告事項

三鷹ネットワーク大学プレ講義

平成16年12月22日(水)、平成17年度開設予定の三鷹ネットワーク大学がプレ講座として開設している福祉関連の講義の中で田口専任助教授が「介護支援ロボット」と題して講義を担当しました。

調布市ものづくりアイデアコンテスト審査委員会

平成17年1月13日(木)および1月25日(火)、調布市商工会において表記委員会が開催され、田口専任助教授が審査委員として参加しました。

第8回産学官連携コーディネータ全国会議

平成17年1月20日(木)、21日(金)の両日、福岡において表記会議が開催され、小川産学連携コーディネータと田口専任助教授が参加しました。

三鷹ネットワーク大学実務者会議

平成17年1月27日(木)、三鷹の産業プラザにおいて表記会議が開催され、システム工学科の清水教授と田口専任助教授が参加しました。

平成17年2月28日(月)、三鷹の産業プラザにおいて表記会議が開催され、基礎教育センターの湯川教授が参加しました。

船井電機(株)との包括契約調印式

平成17年1月28日(金)、平成16年7月以来準備を進めてきた本学と船井電機(株)との間の包括契約の調印式が行われました。続いて船井社長による記念講演会が開催され100名を超える教員、学生が参加しました。夕刻には祝賀会も開催され、これからの提携を祝いました。すでに、船井電機との間で共同研究が開始されていますが、本センターも協力していく予定です。

JST科学技術環境シンポジウム

平成17年2月4日(金)、科学技術振興機構主催で「法人化10ヶ月を経て―国立大学はどう変わろうとしているのか?−」のシンポジウムが開催され、小川産学連携コーディネータが参加しました。パネリストに遠山元文部科学大臣、尾池京大学長、鳥居奈良先端科技大学院大学長、宮原大阪大学長及び徳永文科省大臣官房審議官が参加され、教育改革への振り返りと法人化後の特許出願件数の増加や教職員の意識改革等の変化、高等教育のあり方、大学の運営資金のあり方などの討議が活発に行われました。

調布市ものづくりフォーラム

平成17年2月15日(火)、調布市商工会会議室においてフォーラムが開催され、田口専任助教授が参加しました。このフォーラムでは、まず先に行われた調布市ものづくりアイデアコンテストの入賞者の表彰式、調布市の異業種交流会の3グループの活動報告がありました。その後、田口専任助教授の司会で今後の調布市のものづくりについてのパネルディスカッションがあり、ものづくりに向けた意気込みなどを語りました。商工会メンバーを中心に40名ほどの参加がありました。

「NEDOフェロー研修会」および「産学連携実務者勉強会」

平成17年2月17日(木)18日(金)の両日、北見工業大学地域共同研究センターにおいて表記会合が開催され、田口専任助教授が参加しました。17日は産学連携に従事する全国のNEDOフェロー15名のうち8名が参加し、日頃の活動状況などの発表をしました。また、私立大学で活躍されている若手産学連携実務者の方々からも活動内容を発表しました。また、彼らよりも古くから産学連携に携わっている国立大学共同研究センターの専任教員の中から6名が招かれ、これまでの産学連携の状況などを発表しました。18日はその発表を元に各自のおかれた状況などをふまえた意見交換を行いました。
産学連携活動を行うNEDOフェローは、これまで横の連絡が無く、今回は北見工業大学に派遣されている内島さんの呼びかけに答えたものです。今回の研修会で初めて顔を合わせたフェロー同士がいろいろと情報交換ができるようになり、次に繋げることができたることを期待します。

産学連携プラザ

平成17年2月24日(木)、パレスホテル立川において東京都中小企業振興公社の主催で開催され共同研究センターから小川産学連携コーディネータと田口専任助教授が参加しました。本プラザは旧産学公マッチング交流会として地元企業と大学等との具体的な技術相談の場として定着しており、本学にも多数の相談がありました。今回は関西や東北地方の大学も参加していて産業界からの資金獲得に積極的に取り組んでいることが特徴的でした。

情報システム学研究科シンポジウム第12回「Sensing and Perception」を後援

平成17年2月25日(金)、電気通信大学大学院情報システム学研究科ヒューマンインターフェース学講座の主催で本学IS棟2F大会議室において開催された表記シンポジウムを後援しました。

第1回全国コーディネーターネットワーク会議

平成17年2月28日(月)、コラボ産学官プラザin TOKYOにおいて、コーディネーターネットワーク会議主催、文科省、経産省、工業所有権情報・研修館及びJSTの共催で表記会議が開催されました。各種コーディネータの活動現場からの報告として14名が登壇し、本センターからは小川産学連携コーディネータが報告しました。また、この後パネルディスカッションが行われ、パネリストとして(株)キャンパスクリエイトの安田社長が参加しました。

情報システム学研究科シンポジウム第9回「信頼性とシステム安全学」を後援

平成17年3月1日(火)、電気通信大学大学院情報システム学研究科田中健次研究室、鈴木和幸研究室の主催で本学IS棟2F大会議室において開催された表記シンポジウムを後援しました。

西日本ブロック専任教官(教員)会議

平成17年3月4日(金)、島根大学に於いて表記会議が開催され、田口専任助教授が参加しました。この会議は年度末にあたり、今年度の活動を振り返り、次年度の活動などについて意見交換をするもので各ブロックの専任教官(教員)会議幹事など18名と開催校の島根大学の北村専任助教授が参加しました。

第4回たま工業交流展

平成17年3月3日(木)4日(金)の2日間、昭和の森スポーツセンター(昭島市)において表記交流展が開催されました。本センターは例年通り出展し、電気通信大学の研究シーズを紹介しました。生憎の降雪にもかかわらず約8500人の来場者があり、ブースでの名刺交換は86名にのぼり盛況に終了しました。この交流展は年々拡大しており、今回は215社(260ブース)の参加がありました。

第3回産学交流プラザ2004

平成17年3月11日(金)、コラボ産学官 in TOKYO において東京商工会議所との共催で表記交流会が福祉・医療分野をテーマに開催されました。コラボ産学官 in TOKYO に入居している10機関のうち、大分大学、北見工業大学、群馬大学、弘前大学、福井大学の5大学とコラボ産学官の法人会員である電気通信大学が講演を行いました。本学では田口専任助教授が「介護支援ロボットの開発」と題して講演を行いました。その後の懇親会の席でも各大学はブースを設け問い合わせに対応しており、80名を超える参加者には満足して頂けたようです。コラボ産学官と東京商工会議所は次年度もこのような交流会を企画していく予定です。

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