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電気通信大学 共同研究センターメール No.28 巻頭言

インターンシップ

共同研究センター長 教授 三木 哲也

インターンシップは、学生が企業において実際の仕事を体験することによって、大学の講義中心の勉強では得られない数々のことを学びまた考える機会を作ることを目的にした教育プログラムです。日本では新しい教育の試みとして注目され、最近多くの大学で取り上げられ始めています。本学では平成10年度から実施しており、当時から共同研究センターが、学生を受入れて貰う企業の開拓、企業との連絡などの支援をしてきました。これは共同研究センターのメインの役目とは言えないかもしれませんが、広く捉えれば産学連携の一環として意義あるプログラムと考えたからです。
3年前に、「インターンシップ」のカリキュラムを作ったとき、それまで「現場実習」という名で存在はしていたもののほとんど見向きもされなくなっていたものを改め、この科目を主として学部教育の"動機付け"と位置付け、その意義と必要性を次のように設定しました。

  1. 研究開発、製造、サービスなどにおける技術の実際に関心と興味を深める。
  2. 将来の技術者としての心構えと抱負を養う。
  3. 実際の技術と学問の関連、信頼性と安全性の重要性、などについて体得する。
  4. 人的交流・協力の必要性と、自律した技術者の在り方を考える機会とする。
  5. 大学教育の意義を一層理解し、今後の勉学方法、進路決定の一助とする。

一方、従来の「現場実習」と同様に、専門知識をもって現実の研究開発の場で"腕試し"を行うものは大学院において行うこととして、同時に「大学院インターンシップ」を新設しました。
過去3年間の実施経験を経て、学生への教育効果は当初考えていた以上に大きいものであることが明白になってきました。インターンシップ終了後に提出するレポートに見る学生(学部生)の感想文には「企業における技術開発の実態を見て感激した」、「先輩や若い社員が活き活きと働いている姿に感動した」、「技術者としての自分の将来を考えることが出来るようになった」、「大学での勉強の意義が見出せるようになった」、「専門知識の重要性がわかった」等々といった半ば興奮気味の内容のものがほとんどであり、インターンシップの初期の目的は十分に達成されています。
このような経緯を経て本年度からはより本格化し、全学部生を対象として「インターンシップ」を実施することになりました。これにともない、従来から行っていた企業との連絡のみならず学生への相談窓口を含めて"総合的なインターンシップ支援"を共同研究センターの仕事として行うことにしました。新任の中野 喬 客員教授には専任的にこの支援業務をお願いして、体制の強化も図りました。
現在、本年の夏休みにインターンシップを行う135名程度の学生を企業に送り出すための調整や連絡に多忙を極めているところです。
他方、本年に入り関東地域においてインターンシップに関して産官学の協力を深めるための「関東地域インターンシップ推進協議会」が発足しました。本学はこれに加盟して積極的に協力することになり、センター長が理事を務めることになりました。企業の各位におかれましても、インターンシップを産学連携の重要な一面とご理解頂き、一層のご協力を頂きますようお願いいたします。

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