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電気通信大学 共同研究センターメール No.20 巻頭言

よろしくお願い致します −センター長就任の挨拶−

共同研究センター長 教授 梶谷 誠

共同研究センターは、1992年4月に発足してから7年を経過しました。初代センター長鈴木務先生は、長年センターの創設に尽力され、全国で26番目のセンターの発足を果たされ、その基礎を築かれました。第2代センター長山藤和男先生の下では、1996年4月のセンター棟の落成、事業協力会の設立など、ハード、ソフト両面でセンターの基盤を確立され、センターを名実ともに一人前に育てられました。御子柴茂生先生は、第3代センター長として、センター活動の一層の充実を計られただけでなく、インターンシップへの協力など学外との連携強化に尽くされ、本センターを全国有数のセンターに成長させられました。このような歴代センター長の指導力と、センター教官の献身の上に、学内の先生方、学外の協力者のセンターへのご理解、ご協力によって本学の共同研究センターは極めて順調に活動しております。
私は、まずはこれまでのセンターの活動を引き続き充実させていくように微力を尽くしたいと思っています。一方、今後の本学の将来戦略の中での共同研究センターの役割を考え、見直し、必要なら新たな活動指針を策定せねばならないとも考えています。そのためには、学内の教職員の皆さまはもちろん、学外の多くの方々のお知恵を拝借せねばなりません。しかし、残念ながらまだ、私のまとまった考えを披露できるまでには至っていません。ここでは、日頃感じている漠然とした問題提起をキーワード的に示すことでお許しいただきたいと思います。

積分的価値から微分的価値へ

有限資源の地球で人類が自然と共存していくためには、量的価値観(積分的価値)を捨てねばならない。しからずんば、変化こそ価値(微分的価値)であるとの仮説のうえに、人の幸福が得られるであろうか?そのような価値観に基づく産業構造、経済活動は成り立つであろうか?

ボーダレス化時代の大学の在り方

今後ますます社会のボーダレス化が進むであろう。例えば、大学と大学、大学と企業、企業と企業、国と国の間の垣根を低くした相互乗り入れによる、相互補完、相互作用、相互批判によって、常に活力を維持しなければ生き残れない。このような時代の大学の究極の姿とは?

大学に教室は必要か?

ここでの教室とは、黒板と教壇に向かいあって学生の机が並ぶ部屋のことである。100年前からのこの先生と生徒とのかかわりの象徴的スタイルを変えなければ、真の教育改革は始まらない?

共同研究センターが不要になったとき、真に大学は開放された?

共同研究センターは、大学と社会との連携の窓口(インターフェイス)である。しかし、そもそも、大学における全ての活動が社会との連携の上に存在すべきとするなら、大学全体が「共同教育研究センター」であるべきなのでは?

以上、いささか共同研究センターの取り扱い事項を逸脱した、また荒唐無稽とのご批判を受けそうな愚問を提示してしまいました。これからは、共同研究センターのしかるべき場で堅実な議論を進めていきたいと思っています。何とぞよろしく、ご指導、ご協力のほど切にお願い申しあげます。

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