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産学官連携ニュース No.23   Web版

発行:2014年12月25日

目次

第26回国立大学法人共同研究センター長等会議報告

産学官連携センター長 特任教授 中嶋 信生

 本会議は、平成元年より毎年9〜10月に国立大学間で持ち回りによりされ、産学官連携に関する課題や対策 などの情報交換が目的となっています。開催場所は共同研究センターが設立された順となっており、今年度は北 見工業大学において下記のプログラムで実施されました。参加校は60校、参加者は168人でした。電気通信大学 からは、産学官連携センターの中嶋、田村、本間、研究推進課の中田、井田が参加しました。
全体の日程は以下の通りでした。
平成26年9月25日(木) 14時〜19時30分
 ・北見工業大学長 高橋信夫氏挨拶
 ・基調講演:文部科学省科学技術・学術政策局産業連携地域支援課長 木村 直人 氏
     「産学官連携の現状と共同研究センターへの期待」
 ・全体会議:国立大学法人共同研究センター等教員会議報告など
 ・分科会A(将来に向けた共同研究センター等の役割・機能)
  分科会B(社会連携の多様性及び地域固有課題のへの対応)
 ・情報交換会
9月26日(金) (9時30分〜11時50分)
 ・招待講演:丸玉産業株式会社 取締役社長 大越敏弘氏
      「地域資源の有効活用」
 ・分科会報告
 ・次期当番校挨拶
 閉会
 初日の木村課長からは、異分野融合イノベーションと、見えなかったニーズを 如何に探索するかについて関係者への期待が述べられました。また、各地域がそ れぞれの特徴を活かした自律的で持続的な社会を創生できるように平成26年9月3 日「まち・ひと・しごと創生本部」を設置したことが紹介されました。
 全体協議では、共同研究センター等教員会議報告があり、次期当番校としては 平成4年に共同研究センターを設立した電気通信大学が選ばれました。開催は平 成27年度9月17日(木)〜18日(金)の予定です。
 分科会では、昨年度の国立大学改革プランと国立大学のミッション再定義を受 けて再出発すべく、「共同研究センター等活動の新展開」と題して議論が行われ ました。
 分科会Aは更に議題1:大学の特色ある社会(地域)貢献活動と、議題2:産学 連携が大学に果たす役割、について順に議論しました。まずそれぞれ4校が自大 学の活動を紹介し、それに対する質問とコメントが参加者から述べられました。 まとめでは、共同研究センターのミッションは、研究成果の社会還元に留まらず 文化・施策面や地域発展に関わるさまざまな活動に拡大してきており、大学が地 域との運命共同体となりつつあること、また産学官連携活動を通じて大学の強み ・個性を発揮すべく、COI、COCとしての大学のパイロット的存在になるべきであ る、と総括されました。
 分科会Bは、議題1:地域ニーズに応える大学、議題2:産学官連携活動及び体 制への評価、について議論され、中嶋は議題2の座長を務めました。分科会Aと同 じ形式で議論され、以下のコメントが得られました。これから地域では一層「使 える大学」が求められる、全国規模の研究者のデータベース化が実現できないか、 大学の地域貢献評価は地域による産業規模などのアンバランスを考慮しないと不 公平になる、などの意見が出されました。またPDCAにより外部評価委員会の評価 を反映した新たな施策を行っている大学がその内容を紹介しました。
 2日目の招待講では、丸玉産業社長 大越敏弘氏から、豊富な木材を活かしたマ ッチの生産、ロシアの良質なシナの木を用いた合板、松の木の利用、バイオマス エネルギーセンターの設立など、地域に根差した活動が紹介されました。また企 業と言えど社員の人間形成は重要であり、ずっと続く大学のようなものだという 持論が述べられました。
2日目午後のエクスカーションは希望者が2台のバスに分乗し、野村興産(株)イ トムカ鉱業所と「山の水族館」を見学しました。イトムカ鉱業所は、水銀の鉱山 として栄え、掘り尽くした現在は、蛍光灯や電池に含まれる水銀の処理工場とし て稼働しています。抽出した金属からの収入は経費の数%とのことでした。山の 水族館は淡水魚を集めて展示しており、北見工業大学も運営に技術的貢献として いるとのことでした。

全体会議の様子
 全体会議の様子

野村興産(株)イトムカ鉱業所
 野村興産(株)イトムカ鉱業所

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平成26年度地域フォーラム
 「全国連携による地域人材育成〜それぞれの地域産業活性化のために〜」

産学官連携センター長 特任教授 中嶋 信生

 平成26年9月19日(金)に秋田市カレッジプラザ(明徳館ビル2階)にて、表記のフォーラムが開催されま した。その目的は、文部科学省の平成24年度大学間連携共同教育推進事業「産学官協働ネットワークによるイ ノベーション博士養成と地域再生」へ参加している大学間で地域産業活性化や、そのための人材育成の方法や 問題点等について情報共有することです。
 フォーラムは午後開催され、まず本事業推進代表者の 福田 喬 電気通信大学長と開催大学代表者の 小間 篤 秋田県立大学理事長兼学長の挨拶に続き、来賓の 吉田 大輔 文部科学省高等教育局長と 橋口 昌道 秋田県副知 事の挨拶がありました。その中で、資源、環境、高齢化などの我が国には多くの課題があり、特に安倍政権の掲 げる地域再生では大学はそれぞれの強みを活かして教育も含め連携しシナジー効果を出して欲しい、などのコメ ントをいただきました。地元の秋田は豊かな自然を利用して風力発電や地熱発電などに力を注ぐと共に、自動車、 航空機、医療器具などにも取り組んでいるという紹介もありました。
 国立国会図書館 小林 信一 専門調査員の特別講演では、「大学間連携の多様な展開」と題して、「我が国の大 学教育は画一化しており、もっとダイナミックに研究機関等と連携したり、アントレプレナー教育など新しい試 みに挑戦すべきである、ローカル固有の問題を突き詰めたところからイノベーションが生まれる可能性がある」、 などの見解を述べられました。
 秋田商工会議所 三浦 廣巳 会頭の特別講演では、「秋田産業活性化のための戦略と人材育成」と題して、「こ れからは秋田の時代である(豊かな天然資源、人情、海洋貿易に有利な地理学的位置など)、ただし失敗を恐れ ず挑戦する勇気と周囲のサポートが必要、大人が模範を示すべき(背中を見て育つ)」、などの意見を述べられ ました。
 本事業の推進責任者である本学の田野教授から事業の概要報告があった後に、室蘭、北見、秋田、首都圏、富 山、大分の各地区が参加したパネルディスカッション「地域社会の課題を解決する人材」が行われました。首都 圏からは、(株)オプトエレクトロニクス志村則彰会長と中嶋が参加しました。特徴的だったのは、産業が比較 的活発な地域と疎に悩む地域に2分されたことです。しかしながらどの地域にも資源や産業に固有な特徴があり、 それらをうまく発展させることがどこでも目標でした。人材育成面では、技術面のみでなく他分野の知識やマネ ジメント感覚など総合的な能力が期待されていました。また、育成手段として、企業との共同研究を主体とする インダストリアルPhDに対する期待が多く寄せられました。

パネルディスカッションの様子
 パネルディスカッションの様子

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第96回研究開発セミナー報告

報告:産学官連携センター長 特任教授 中嶋 信生

 第96回研究開発セミナーは「新しい無線センサーネットワーク 技術の動向」と題して平成26年10月1日(水)に開催しました。聴講者は66名でした。
 最近、スマートグリッド、電力監視、EMS、介護医療、農業などの諸分野で無線センサーネットワークが注目を 浴びています。そして、その核となる低消費電力で効率的な無線通信方式(Wi-SUN)がわが国で誕生しました。 応用面でも電力計やガスメーターの検針結果を集約する大規模無線ネットワークへの利用が既に決まっています。 本方式は上記諸分野を始めとするM2M通信のあらゆる場面でその特徴を発揮し、イノベーションの源泉になること が期待されています。
 そこで本セミナーではWi-SUN規格と無線装置の特徴を紹介すると共に、実例を含む新たな応用について、実際 に開発に関わっている方々から講演いただきました。
最初は、Wi-SUN規格の無線方式を開発した京都大学大学院情報学研究科通信情報システム専攻(本方式の開発時 はNICT勤務) 原田 博司 教授により「長距離・低消費電力なWi-SUN新無線規格」を講演いただきました。Wi-SUN は920 MHz帯を使用し、間欠動作により長距離通信と低消費電力化を達成している特徴があります。その標準化は IEEEでなされ、Wi-SUNコンソーシアムには国際的企業が名を連ねています。すでにNICTにより各種のフィールド 実験もなされ、その有効性も示されています。
次は、「ガスメーター情報をセンサーネットワークで収集」を東京ガス株式会社基盤技術部スマートメーター・ ICT開発センターの 藤原 純 所長に講演いただきました。乾電池を使用し取り替えずに機器の要求条件である10 年間の連続使用を可能にしています。建物内のガスメーター群は検針結果をバケツリレーのように中継し、集約 された結果が公衆回線でガス会社に転送されることで、全自動の測定ができます。
「Wi-SUN新無線規格に対応した無線モジュール」を製造している村田製作所の通信事業本部スマートコミュニテ ィ推進プロジェクト 魚住 智志 係長に無線モジュールの特徴を解説していただきました。小型化の工夫や、屋 内のカバレッジ、消費電力などが示されました。
 最後は本学情報理工学研究科先進理工学専攻 石橋 孝一郎 教授がベトナムでホーチミン工科大学と共同研究 を進めている「エビ養殖場へのセンサーネットワーク利用」について紹介いただきました。 養殖場の水質が 少しでも劣化するとエビが大量死してしまいその損害が莫大なので、常時測定できるセンサーが重要になってい ます。Wi-SUN規格はまだ採用されていませんが、国際的普及の糸口として期待されます。
アンケートでは、「Wi-SUN技術について大変勉強になった。標準化の話からそれを利用した事業者、技術提供者、 そして大学での取組の紹介と構成が良かった。」などの意見が寄せられました。

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第97回研究開発セミナー報告

報告:産学官連携センター客員教授 高見 創

 第97回研究開発セミナーは、「環境に優しい未来の鉄道」をテーマに以下の要領で開催しました。 日時:2014年10月27日(月)14:00〜17:00
場所:電気通信大学 東7号館 415室
○ハイブリッド鉄道の技術動向
  千葉大学大学院 工学研究科 人工システム科学専攻 准教授      近藤 圭一郎 氏
○電化/非電化線、軌道/鉄道線の相互直通に向けた技術
 −架線・バッテリーハイブリッドLRV“Hi-tram(ハイ!トラム)”の概要
  公益財団法人鉄道総合技術研究所 車両制御技術研究部 主管研究員   小笠 正道 氏
○ハイブリッド鉄道車両の開発と実用化
  JR東日本研究開発センター 環境技術研究所 車両システムG 主幹研究員   薗田 秀樹 氏
○電磁波の計測技術
  情報理工学研究科 情報・通信工学専攻 教授             佐藤 証 氏
  森田テック株式会社 開発部 部長                  山田 誠 氏
 もともと鉄道は、省エネルギー・大量輸送が可能なその原理から、自動車や航空機などと比較して「環境に優 しい乗り物」です。しかし、昔の蒸気機関車が必ずしも環境負荷が小さかったとは言えず電気車両へ切り替わっ たように、現代の鉄道も未来に向けては、新たな技術を使ってより環境に優しい乗り物へする開発が進められて います。
 特に、電化されていない地方線区においては、多くのディーゼル車両が使われており、自動車で開発が進むハ イブリッドエンジンの応用が望まれます。また、既に電化されている線区の電車においても、電力回生ブレーキ の回生効率を向上させる新技術によって、省エネルギー性能はさらに高めることができます。
 このような背景のもと、千葉大学の近藤氏からは、鉄道車両のハイブリッド化に関する最近の開発状況を分か りやすく概説頂きました。
 その後、具体例として(公財)鉄道総研の小笠氏から、架線とバッテリーをハイブリッド化し、路面電車やL RT(ライトレールトランジット)に適用する技術について紹介頂きました。本技術による試験車両は、本年7 月に富山県の万葉線で営業運転に準じた試乗会走行を行い、現在注目を浴びています。
 続いての具体例として、JR東日本の薗田氏から、ディーゼルエンジンとバッテリーをハイブリッド化した技 術を、山梨県・長野県を走る小海線の営業列車に使用している事例を紹介頂きました。また、架線とバッテリー をハイブリッド化した技術を、栃木県を走る烏山線の営業列車に使用している事例についても紹介頂きました。
 最後は、環境性能として省エネルギーやCO2排出量以外の尺度の一つとして、電磁波の考え方およびその計測 技術について、電通大の佐藤氏および共同研究先の(株)森田テック・山田氏から講演を頂きました。
 当日は多くの聴講者に参加頂き、熱心に聴講頂きました。今後、他分野への応用や研究開発の課題として生か されていくものと期待しています。講師の方々には、本当にお忙しい中セミナーにご協力頂きました。この紙面 を借りてお礼を申し上げます。

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第98回研究開発セミナー報告

報告:産学官連携センター 特任教授 坂本和義

 第98回研究開発セミナーは平成26年12月5日(金)、「高齢化対 策に向けた現状認識」−お年寄りはこれからどのように生きるのか?−をテーマに80周年記念会館で開催しました。 聴講者は42名でした。
 日本は近年急速な高齢化が起こり、高齢者(65才以上)の人口は全人口の21%を超過し超高齢社会となっている。 この現象は世界的にも稀で日本とイタリアだけです。高齢化問題を取り組む上で、「高齢化するとどうなるか?」 をまず知る必要があります。高齢化が進行する過程で、身体問題、精神問題、最後の居場所の問題が発生します。老化 は、「歩けない」、「食べられない」、「分らない」の順序で進行すると言われています。これらの認識を踏まえて、 高齢者の研究者と高齢者を日常直接介護されている専門家に高齢者の実態を報告してもらいました。
 開会の挨拶では、産学官連携センター長の 中嶋 信生 特任教授が、本セミナーを開催するに至った経緯と意義を説 明しました。
1番目の講演は、企画者である産学官連携センターの 坂本 和義 特任教授が、「お年よりなると何が起こるのか?」 という演題で講演しました。
まず、高齢者の定義と平均寿命と健康寿命を示し、現在は男女共に平均寿命が80 才代になったことを強調しました。更に、高齢になって介護が必要な期間(介護寿命)が男女共約7年存在しているこ とも示しました。次に、高齢者の機能について、身体症状と精神症状について、筋肉減少(サルコペニア)を挙げ歩 行能力の低下”、“躓き”、“転倒”と“認知症”と“うつ病”について述べました。認知症とうつ病の対策として 規則正しい生活が必要であることを挙げ、栄養、休養、運動が大切であること、より大切なことは人と接することを 強調しました。また、高齢者の見守りロボットに対する独居老人45名に対して調査した嗜好と要望についての調査結 果について述べました。さらに、開発した非接触型センサーによって介護者の睡眠時の離床検知と睡眠の質を見守る 介護見守りシステムについて述べました。
 2番目の講演は、富士大学の 金子 賢一 教授が、「お年よりの実態はどのようになっているのか?」という演題で、 福祉工学の面から高齢者用の機能向上方法に関して講演しました。雪国の居住者向けの体力向上方法として、歩行に 替わる自転車エルゴメータは基礎研究の例であるが、膝関節症者の機能評価結果によって自転車エルゴメータの有用 性を明らかにしました。次に、筋肉の活動状態を数値解析(ウエーブレット変換)し、自転車エルゴメータを使用し た筋力向上評価結果から、下肢筋の使用が高齢者の体力向上に繋がることを示しました。
 3番目の講演は、多摩リハビリテーション学院の 武藤 友和 理学療法士が、「食べられなくなった時にどのような 方法で食べるのか?」という演題で在宅介護の現場に携わっている立場から食の問題を中心に講演しました。
この講演では高齢者の体力低下の特徴として低栄養問題を取り上げ、低栄養によって発生する体力低下が、転倒、失 禁、認知と密接な関係あることを示しました。また、低栄養状態の続行は寝たきりに繋がることを強調しました。更 に、サルコペニアによって引き起こされる日常生活行動の低下についても説明しました。続けて体力の低下により食 べられなくなった時に、胃に穴を開け直接食べ物を胃に与える“胃瘻(いろう)”について説明しました。胃瘻は、 点滴や鼻から栄養を送る場合と比較して短時間で食物を胃に運ぶことが出来ることが特長であり、入院の場合は病院 側の管理面から胃瘻を進められる事が述べられた。胃瘻装着の問題点として、一旦装着すると取り外すことは病院管 理と健康面から困難であり、胃瘻装着者が認知症になった場合に生存期間が長期化し、介護者の負担が増大する事態 をふまえて、認知症者の尊厳死の問題まで論じられた。
 4番目の講演は、大妻女子大の真家和生教授が、「もの覚えの低下の先に何があるのか?」という演題で、身体の老 化と認知の問題を中心に講演しました。歴年齢と体の各部の年の取り方を人類学的見地から述べ、筋肉系のトレーニ ングは体力の向上に繋がることを述べました。特に、眼球運動、瞼を大きく見開くこと、舌や表情を動かすことは日 常生活レベル(ADL)の能力向上に重要であることを明らかにしました。また、脳の機能低下については、脳神経細胞 自体は老化しないが、神経細胞と神経細胞の連絡(シナプス)が老化する為に“物忘れ”が起こること、覚えたこと が思い出せないがきっかけがあれば思い出すのは、脳神経のシナプスが健全に働いており、脳神経系は老化していな いこと、新しいことが覚えられないのは老化であること、この場合は、脳自体が機能しない為であることを示されま した。もの忘れの対策は、と呼ばれる「毎日新しいことを覚える(例、語呂合わせで覚える)ことや昔覚えたことを しっかり思い出すこと」が有効であることを強調された。脳の機能(脳の皮質の機能)は、手の働きが一番大きな脳 表面(皮質)領域を有しており、次に顔の表情を働かせる皮質面3分の2を占有していることから、老化防止には手 を働かすことが重要であり、また、顔を働かせることも有効で、特に人との会話をすることは必要であることが述べ られた。物忘れ(記憶)を予防するためには脳を幸せにすることであり、快感を得ることは脳の活発化をもたらし、 幸福感を示す神経伝達物質が分泌されていること、幸福感は他人が決めるのではなく、自分が決めることであると述 べられた。
 5番目の講演は、介護サービスの職場で活躍されている江口志乃 介護支援専門員が、「お年寄りの介護は今どうなっ ているのか?」という演題で、高齢者介護の利用方法と終の住み家の問題を現場に携わっている立場から講演した。 介護保険サービスの一連の流れを図で示して、高齢化して、自分で生活が困難になった場合や家族の助けが必要にな った場合に、どこに連絡し、何をしたら良いかを具体的に解説された。介護保険で利用できる在宅サービスを明示さ れた。事例を2例取り上げ対象者の症状を示し、介護保険サービスの利用例を述べ、ケアプラン例を示した。具体的 に解説が示されたので、どこに、何をしたら良いかを理解された。また、現在、講演者が取り組んでいる新しい介護 の事例である「地域包括ケアシステムを「地域の自主的活動”に基づいて介護活動を実施する」方法を紹介しました。 これは医療、介護、予防、住まい、生活支援の5つの要素を有機的に結合して介護を有効に実施する方法であり、世田 谷区で現在展開されています。この活動の根本思想は、高齢者は住み慣れた場所で生涯を過ごすべきであるという考 え方に基づいている。また、この介護活動は、厚生省が高齢者支援として公布している次の行動指針(*)とも合致 しています。
 今回のセミナーは、日本の急速な高齢化により必然的に発生する諸問題(歩行の問題、摂食の問題、認知症の問題) の理解と対策を研究者が解説した。更に、高齢者の介護現場に携わっている専門家が現状と対策を解説した。高齢者 の問題は今回取り上げた問題以外にまだ多くの問題が社会に山積している。機会を頂ければ、産学官連携で課題にな るシーズを掘り起こす事は可能である。視点を変えながら再度企画していく所存である。
(*)厚生省高齢者行動指針:「2025年を目処に、高齢者の尊厳の保持と自立生活の支援の目的のもとで、可能な限 り住み慣れた地域で、自分らしい暮らしを人生の最期まで続けることが出来るよう、地域の包括的な支援・サービス 提供体制(地域包括ケアシステム)の構築を推進する」

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お知らせ

産学官連携センター運営委員会

 平成26年10月28日(火)、東7号館4階研修室において第32回産学官連携センター運営委員会が以下の議題で開催されました。

  1. 特任教員の任用について
  2. 東京都立産業技術研究センターとの連携協定について
  3. 電気通信大学発ベンチャーの認定について
  4. インキュベーション施設の使用について
  5. 共同研究及び受託研究の受入について
  6. 規定について
  7. その他報告事項

 平成26年12月16日(火)、東7号館4階研修室において第33回産学官連携センター運営委員会が以下の議題で開催されました。

  1. 特任教員の任用について
  2. 平成27年度事業経費等の要求について
  3. 電気通信大学発ベンチャーの認定について
  4. プレインキュベーションルームの使用について
  5. 共同研究及び受託研究の受入について

対外活動と社会貢献

おおた研究・開発フェア

 平成26年10月2日(木)、3日(金)の2日間、太田産業プラザ(PiO)で表記展示会が開催されました。本学からは出展しませんでしたが、田口特任教授が視察し、大田区の企業の方々と懇談しました。

TAMA協会地域イノベ・技術連携交流会/新技術説明会

 平成26年10月6日(月)、第4回目の表記交流会が中野サンプラザで開催されました。本学はTAMA協会に大学シーズ集に紹介したいただいた10の研究のポスターを展示しました。今回は多摩地域の新技術説明会を同時開催し、本学からは 坂本 真樹 准教授が発表しました。水野コーディネーター、比企特任教授、安達特任教授、田口特任教授が支援しました。

ふちゅうテクノフェア

 平成26年10月10日(金)、11日(土)、ルミエール府中において、第25回目になる府中工業技術展「ふちゅうテクノフェア」が開催され、本センターも上記のポスターを中心に展示に参加しました。比企特任教授、小島コーディネーターと田口特任教授が支援しました。2日間で3,000人を超える入場者がありました。

ふちゅうテクノフェア
ふちゅうテクノフェアでの展示

JAPAN Robot Week 2014

 平成26年10月15日(水)〜17日(金)、Big Sight において表記展示会が開催されました。本学からは長井教授の研究室が知能ロボットシステムを展示しました。田口特任教授が支援しました。

コラボ産学官10周年記念フォーラム

 平成26年10月20日(月)、船堀のたわーほーる船堀の5F小ホールにおいて、コラボ産学官発足10周年を記念して表記フォーラムが開催され、梶谷前学長がパネルディスカッションのパネリストとして参加しました。中嶋センター長も参加しました。

朝日ビジネスマッチング2014

 平成26年10月21日(火)、東京ドームホテルにおいて、朝日信金主催で第2回目となる表記展示会が「つなぐ力、きずく力」をテーマに開催されました。本学からは(株)キャンパスクリエイトが本学の研究シーズを紹介するポスターを展示しました。田口特任教授が支援しました。

朝日ビジネスマッチング
朝日ビジネスマッチングの様子

コラボ産学官第11回研究成果発表会

 平成26年10月24日(金)、コラボ産学官プラザ in Tokyo において表記発表会が開催さました。本学からは中嶋センター長が本学のロボット研究を紹介しました。

新技術創出交流会

 平成26年10月28日(火)、パレスホテル立川において、東京都中小企業振興公社主催の表記交流会が開催されました。本学からは出展はしませんでしたが、水野コーディネーター、田口特任教授が参加しました。

ビジネスフェア from TAMA

 平成26年11月6日(木)、新宿NSビルにおいて、西武信金主催の第15回目になる表記展示会が開催され、本学も例年通りキャンパスクリエイトとともに参加しました。

第4回武蔵野エリア産業フェスタ

 平成26年11月12日(水)、吉祥寺東急インにおいて、第4回武蔵野エリア産業フェスタが開催されました。このイベントは武蔵野市商工会議所、三鷹商工会、小金井市商工会の3者が武蔵野地区の製造業・情報通信産業の企業を結集したもので、今回は40社の企業と本学を含む11の支援団体が参加しました。今年は本学の産学連携の紹介の他に情報理工学研究科知能機械工学専攻の 田中 基康 助教が蛇型ロボットを、情報システム学研究科情報メディア学専攻の 末廣 尚士 教授の研究室がハンドベルを演奏する「ベアリング」ロボットの実演を行いました。比企特任教授、小島 URA/特任准教授、水野コーディネーター、田口特任教授が支援しました。

蛇型ロボット
蛇型ロボット

ベアリングロボット
ベアリングロボット

Embedded Technology 2014

  平成25年11月20日(水)〜22日(金)の3日間、パシフィコ横浜において恒例の表記展示会が開催され、本学からは出展しませんでしたが、田口特任教授が視察しました。

Embedded Technology
Embedded Technology 2014での展示

産業交流展2014

 平成26年11月19日(水)〜21日(金)の3日間、Big Sight 表記展示会が開催されました。この展示会は首都圏の中小企業の技術を紹介するもので、本学の教員が関与しているプロジェクトなどが展示されました。田口特任教授が視察しました。

産業交流展での展示
産業交流展での展示

産学公連携相談窓口 定期打合せ

 平成26年12月15日(月)、東京商工会議所において表記打合せが開催され、本学から田口特任教授が参加しました。このポータルサイトは在京の大学、研究機関を中心に中小企業の主に技術相談を受付け、参加機関に相談用紙を送って対応できる機関が相談企業と面談や共同研究などの交渉を行うために東京商工会議所が開設しているもので参加機関は地方大学の東京事務所も含めて30機関になっています。

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