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産学官連携ニュース No.16   Web版

発行:2013年3月25日

目次

第90回研究開発セミナー報告

キャリア教育部会特任教授 菅谷 寿鴻、高橋 謙三、前佛 栄、本多 武

 昨今、日本の将来を担う学生のキャリア教育とグローバル化が強く叫ばれており、その大切な1つとしてインターンシップがますます重要視されている。本学は工場実習と言った時代を含め長年に渡ってインターンシップに力を注いできた。一方インターンシップは大学だけでできるものではなく、企業・団体様のご理解、ご支援があってこそ教育的成果が得られることは明白な事実。そこで学生が何を考えインターンシップを履修し、企業・団体様にとって学生の受入れはどんな課題、効果があったかを発表する機会を第90回研究開発セミナー「産学連携の人材育成XI インターンシップ」として、1月30日に企業関係者を中心に120名を越える皆様方にお集まり戴き開催した。学生はインターンシップ、すなわち企業・団体様での実体験を通じて大学教育では得られないものをつかみ、学生を大きく成長させており今後の学生生活の糧にしている。
 平成24年度にインターンシップを履修した学生数は141名、企業、団体様の大きなご支援で学生の受入れを表明戴いた企業・団体数は122に上った。企業・団体様にはこの場をお借りして改めて御礼申し上げたい。
 このセミナーでは、梶谷 誠学長が「総合コミュニケーション科学と人材育成」のテーマで電通大学生が企業で実体験を踏まえることがいかに大切かのお話しがあり、続いて学生をインターンシップ生として受け入れた鉄道総合技術研究所 総務部 平栗 滋人 人事課長様、アンリツ株式会社 人事部 山内 佳祐様にご講演を戴いた後、今年度インターンシップに参加した学生の代表10名による報告が行われた。
 企業様のご講演では、受入れ側として若手職員、社員の能力向上に役立った、職場の活性化につながった、あらたな気づきがあった、との効果が報告された。また、受入れ側の希望として意欲ある学生が望ましい、事前に業務内容を良く理解することが企業側と学生の相互理解につながり実習意欲になる、また実習(実体験)がより価値あるものになるとの指摘があった。これら指摘を踏まえて次年度にインターンシップを履修する学生指導の参考にしたい。
 学生の報告では、苦労も多かったが自分を成長させることができた、自分は何をしている時が楽しいのかが分かった、視野が広がった、コミュニケーション能力の不足にあらためて気がついた、よく予習しておけば良かった、企業では社員の成果が会社の利益に直結することが肌で感じた、社会人とのギャップを感じることができたと、いずれも貴重な経験をしたとの報告があった。
 電通大は平成10年度からインターンシップ科目を設け15年が経過したが、この15年間にインターンシップを履修した学生は2066名に達した。 いずれも企業・団体様で活躍をしている。企業・団体様には引き続き本学の研究、教育にさらなるご支援を賜りたくよろしくお願いしたい。
 多くの企業・団体様から電通大のインターンシップは高く評価戴いており、この評価を大学として更に充実させ、学生は企業の方々から戴いた様々な助言をこころの糧にして残された学生生活をますます充実させることを再度認識してセミナーを終えた。

文責:共通教育部 キャリア教育部会 特任教授 本多 武(記)

第90回研究開発セミナーの様子
 第90回研究開発セミナーの様子

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第91回研究開発セミナー報告

報告:産学官連携センター 教授 田村元紀

 第91回研究開発セミナーは、「生物と環境のセンシングと通信を考える」をテーマに以下の要領で開催しました。企画と司会は、電気通信大学産学官連携センター客員教授の菅谷史昭氏(株式会社KDDI研究所執行役員)が行いました。
日時:2013年3月19日(火)13:00〜17:00
場所:電気通信大学 東7号館 4階415号室
○ 技術で迫るインドカワイルカの生態
株式会社KDDI研究所 環境計測プロジェクト プロジェクトリーダー 小島 淳一 氏
○ 新潟県粟島におけるオオミズナギドリ観測センサーネットワーク
長岡技術科学大学 教授 山崎 克之 氏
○ 南極の環境センシング
国立極地研究所 准教授 土井 浩一郎 氏
○ 安全・安心社会のための電波センシング
電気通信大学 情報理工学研究科 教授 稲葉 敬之 氏
 人間と生物との生活圏の接近、それにともなう絶滅危惧種の増加、気温変動などの環境の変化など、我々の周りで起きていることをタイムリーにしかも地球規模で長いスパンで知る必要が増しています。本セミナーでは、最新テクノロジーを利用してこれらの難問に挑戦している事例を紹介するとともに、通信技術とのかかわりについてもわかりやすく解説がされました。
最初のご講演ではガンジスカワイルカの保護活動を担っているWWFインディア等と共同して、音響観測技術の導入によるイルカの生態解明研究が紹介されました。ハイドロフォンアレイと音響カメラとの組み合わせで、イルカの詳細な行動が直接観測できる可能性を掴みました。インドのガンジス川流域での観測環境などが写真で紹介され、インフラの整っていない中での観測の苦労が伝わってきました。
 次のご講演では、センサーネットワークの生態観測への適用例が紹介されました。赤外線センサーと音センサーをオオミズナギドリの巣の近くに設置し、帰巣の挙動を観測しました。オスとメスの行動パターン、ヒナの挙動など、大変興味深い生態が明らかになり、人手による観測では難しいことをセンサーネットワークでやってのけることがよく理解できました。
 3番目のご講演では、南極の氷床を、レーザー高度計、衛星重力ミッション、合成開口レーダなどで観測した結果が報告されました。最近10年間の氷床量減少がリモートセンシング観測で明確になりました。干渉SARは、東北地方の地殻変動観測などにも有効でした。無人小型飛行機を使ってデータ回収する等の技術開発も紹介されました。
 最後のご講演では、道路交通の安全・安心のための電波センシングについて最新の研究事例が説明されました。車載レーダや、踏切の監視に、耐天候性に優れ検知距離の長い等のレーダの特徴を活かすことができることがわかりました。今後、大きな可能性が感じられました。
 当日は、年度末の多忙な中にもかかわらず30名以上の聴講者に参加頂き、熱心な質疑がされました。講師の方々の分かり易い解説によって、普段「生物と環境のセンシングと通信」に興味を持ち情報を得たりすることのない皆様にも十分に内容をご理解いただきました。今後、他分野への応用や産学連携した研究開発の課題として生かされていくものと期待しています。
最後に、講師の方々には、本当にお忙しい中、セミナーにご協力頂きました。この紙面を借りてお礼を申し上げます。

第91回研究開発セミナーの様子
 第91回研究開発セミナーの様子

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対外活動と社会貢献

JASA賀詞交換会

 平成25年1月17日(木)、品川プリンスホテルにおいて組込システム技術協会(JASA)の新春講演会と賀詞交換会が開催され、田口特任教授が参加しました。

彩の国ビジネスアリーナ

 平成25年1月30日(水)、31日(木)の両日、さいたま市のさいたまスーパーアリーナを会場として表記ビジネスフェアが開催され、700社を超える参加企業がありました。この中の産学連携フェアに本学をはじめとして、28の大学、研究機関が展示しました。本学では 中嶋 教授と(株)ワイヤレスコミュニケーション研究所による電子百葉箱と産学官連携センターの紹介を展示しました。本センターから比企コーディネーター、小島コーディネーター、田口特任教授が参加しました。また、共同研究先の(株)ワイヤレスコミュニケーション研究所様と(株)キャンパスクリエイトの支援もありました。

彩の国ビジネスアリーナ
 彩の国ビジネスアリーナ

テクニカルショウヨコハマ2013

 平成25年2月6日(水)〜8日(金)の3日間、パシフィコヨコハマにおいて表記展示会が開催され、比企コーディネーターと田口特任教授が視察し、先に相談を受けていた参加企業と懇談しました。

おおた工業フェア2013

 平成25年2月7日(木)〜9日(土)の3日間、蒲田の太田産業プラザ(PiO)において表記展示会が開催され、田口特任教授が視察し、参加企業と懇談しました。

たま工業交流展2013

 平成25年2月8日(金)、9日(土)の2日間、昭島の東京都立職業能力開発センターにおいて第12回目となる表記展示会が開催され、中野コーディネーターが参加しました。

マッチング商談会

 平成25年2月21日(木)、調布クレストンホテルにおいて、調布市商工会ものづくり企業支援室の主催、西武信用金庫の共催で、初めての試みである商談会が開催され、本センターも協力しました。

マッチング交流会の様子
マッチング交流会の様子

輸出管理DAY for ACADEMIA

 平成25年3月1日(金)、芝浦工業大学豊洲キャンパスにおいて表記シンポジウムが開催され田口特任教授が参加しました。大学における輸出管理に関心が集まっている中開催されたこのフォーラムでは、まず経済産業省 貿易経済協力局 貿易管理部 安全保障貿易検査官室の藤代 尚武 室長から「大学における安全保障貿易管理の重要性について」と題した基調講演がありましたその後、ドイツ連邦共和国大使館経済部のアクセル・ゲーナー参事官からドイツでの取り組みについて紹介した「Export Control in Germany」という特別講演がありました。
 続いて、第一部として「海外の大学から何を学ぶべきか」をテーマに、諸外国の大学の事情に詳しいパネリストによる各国の大学が行う輸出管理の手法についてパネルディスカッションがありました。
 午後からは第二部として「留学生受入れの際の輸出管理上の課題と対応策」をテーマに役務や貨物の取扱いとは異なる留学生を対象とする輸出管理についてその複雑性や大学特有の問題についてパネルディスカッションがありました。
 第三部では「大学等の輸出管理の連携の在り方」をテーマにどのような取り組みが可能かなどについて熱心な議論が行われました。

地域イノベ医工連携フォーラム

 平成25年3月5日(火)、京王プラザホテル八王子において第16回目になる表記フォーラムが開催されました。本学からは情報理工学部情報・通信工学専攻の 鎌倉教授がスマートQOL(SQOL)技術開発の最新状況について講演しました。

国立大学法人共同研究センター西日本ブロック専任教員会議

 平成25年3月8日(金)、京都工芸繊維大学において、表記会議が開催され、田口特任教授が参加しました。全国23の大学から25名の専任教員等が出席し、「国立大学サバイバル−大学のミッションの再定義と産学連携−」をテーマに議論を重ねました。

「全国コーディネート活動ネットワーク」全国会議

 平成25年3月14日(木)、15日(金)の2日間、学術総合センター一橋記念講堂において表記会議が「ライフイノベーションで未来を拓く」をテーマに開催され、比企コーディネーターが参加しました。

第10回コラボ産学官本部理事会

 平成25年3月25日(月)、船堀のコラボ産学官プラザ in TOKYOにおいて表記会議が開催され、田口特任教授が参加しました。

リサーチ・アドミニストレーター(URA)とコーディネーター(CD)の情報交換会

 平成25年3月25日(月)、中央大学駿河台記念館において、全国コーディネート活動ネットワーク主催の表記情報交換会が開催され、小島コーディネーターが参加しました。

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お知らせ

産学官連携センター運営委員会

 平成25年1月28日(月)、本センター4階研修室において第22回産学官連携センター運営委員会が以下の議題で開催されました。

  1. 共同研究・受託研究の受入れについて
  2. 特任教員、客員教員について
  3. 知的財産部門長の選出について
  4. 東7号館の施設使用者の状況についてて
  5. その他報告事項

 平成25年2月13日(水)、本センター4階研修室において第23回産学官連携センター運営委員会が以下の議題で開催されました。

  1. 特任教員、客員教員について
  2. 知的財産部門長の選出について
  3. 東7号館の施設使用者の状況について
  4. その他報告事項

 平成25年3月19日(火)、本館第一会議室において第24回産学官連携センター運営委員会が以下の議題で開催されました。

  1. 特任教員、客員教員について
  2. 共同研究・受託研究の受入れについて
  3. その他報告事項

第9回産学官連携 DAY in 電通大

 電気通信大学の産学官連携を半日で見ることのできる「産学官連携 DAY in 電通大」は来る6月5日(水)に開催します。
今回も大学院オープンラボとの同時開催で、研究室公開もあります。

皆様のご参加をお待ちしています。
チラシ(PDF ファイル)をご覧ください。
詳しいことは決まり次第ホームページ(http://www.sangaku.uec.ac.jp/)に随時アップします。

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