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産学官連携ニュース No.14   Web版

発行:2012年10月1日

目次

第25回国立大学共同研究センター専任教員会議報告

産学官連携センター特任教授 田口 幹

 第25回国立大学共同研究センター専任教員会議は、8月30日(木)、31日(金)に、当番校である山梨大学により笛吹市のいさわ温泉 華やぎの章 「慶山」で開催され、田村教授と田口特任教授が出席しました。
 本会議の公式参加者は、文部科学省より2名、山梨大学を含む52大学67名でした。 会議規則に基づき、本年度当番校の山梨大学産学官連携・研究推進部の 環田 隆 准教授を議長に選出した後、新藤 久和 山梨大学産学官連携担当理事から開会のご挨拶に続き、文部科学省科学技術・学術政策局産業連携・地域支援課 大学技術移転推進室 石田 雄三 室長補佐より、基調講演として「産学官連携“これまで”と“これから”」と題して、講演頂きました。
休憩の後、幹事会を代表して本年度の開催校の山梨大学 環田 隆 准教授から、今回の専任教員会議の趣旨説明がなされました。今年度は昨年度の会議からの問題提起に基づき、この会議のあり方を全員で議論することを確認し、幹事会が実施した専任教員へのアンケートの結果を小樽商科大学ビジネス創造センターの 澤田 芳郎 教授が報告しました。
 第1日目の会議は、パネルディスカッション形式で行われ、「専任教員会議の発足の経緯とその後の経過」、「産学官連携の経緯と今後の方向」、「共同研究センターの位置付けと専任教員の役割」をテーマに、今回の幹事長である宇都宮大学 荘司 弘樹 准教授と小樽商科大学の澤田 芳郎 教授がモデレーターとなり、古い時代を知るOBとしてパネリストとして呼ばれた田口特任教授、北海道大学産学連携本部の荒磯特任教授、現役の専任教員を代表して山口大学産学公連携センターの林 里織 講師、神戸大学連携創造本部の 西原 圭志 准教授の4名が問題提起とそれぞれの立場からの専任教員会議への思いを語りました。その後、会場との意見交換に移りましたが、それぞれに専任教員会議への思いが強く、白熱した議論が続きました。3時間を超える議論の後、一日目の会議を終了しました。夕刻からは会場を移して情報交換会を行い、和やかな雰囲気の中、さらに意見交換を深めて第1日目を終了しました。
 第2日目には、再び全体会として専任教員会議の今後のありかたについて異例の投票による意見分布をとりました。最後に、次期幹事および幹事長を選出し、来年度の開催当番校を横浜国立大学に決定しました。
 会議終了後の午後には、オプショナルツアーとして、山梨大学燃料電池ナノ材料研究センターとワイン科学研究センターの視察が行われ、20名ほどが参加しました。

専任教員会議の様子
専任教員会議の様子

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第88回研究開発セミナー報告

総合情報学専攻 石橋 孝一郎

 第88回研究開発セミナーは、「省エネルギー研究開発特集」をテーマに平成24年9月5日13:00より開催されました。参加者は54名でした。企画と司会進行は先進理工学専攻 石橋 孝一郎 教授と 産学官連携センターの 長谷川 淳 客員教授でした。
 省エネルギー技術は従来地球環境保全のために開発が進んできました。しかし、東日本大震災後は原発停止による発電量の不足や貿易赤字の拡大などがあり、産業と生活面で従来以上に早急な省エネルギー化が求められるようになってきました。 本セミナーは、産学で取り組まれている最前線の省エネルギーの研究開発を紹介し、省エネルギー技術の現状を鑑み、その実用化について改めて考え直すセミナーとしました。
 本セミナーでは、モータの省電力化技術、燃料電池の開発動向とその意義、パワー半導体の開発動向、さらにLED照明の低電力化技術と多彩な分野の省電力関する研究開発の講演をいただきました。 1番目の講演は、「省エネ・省資源モータを駆動するドライブ技術」と題して株式会社 日立製作所 日立研究所の 岩路 善尚 主幹研究員にご講演いただきました。
 岩路氏のご講演は以下のような内容でした。1. モータとドライブ技術の関係、2. 永久磁石モータの非線形モデル3. 非線形性を考慮したドライブ技術、4. 非線形性を利用したセンサレス技術。すなわち、センサによりモータの動作を把握したうえで、モータを効率よく動作させるために最適な電力を瞬時瞬時にモータに投入することが重要で、このために、モータ動作のモデル化を行い動作モデルと制御の計算をマイコンで行う技術が紹介されました。この技術により、モータの効率が非常に高まっていることを理解できました。
 2番目は「電気通信大学SPring-8新ビームラインを用いた燃料電池開発と触媒 in situ characterizationの課題」と題して電気通信大学 特任教授 燃料電池イノベーション研究センター 岩澤 康裕 センター長にご講演をいただきました。
まず電気通信大学で行われている、放射光装置Spring-8を用いた触媒の化学状態の観察について紹介をいただきました。また、将来は自動車用のエネルギーが燃料電池とモータを用いたものになり、このために燃料電池の効率化、長寿命化の研究が欠かせないなど紹介をいただきました。研究内容は専門的でしたが、燃料電池の省エネに対する意義をよく把握できる内容になりました。
 3番目は「電源応用をめざした酸化物半導体デバイスの研究」と題して 株式会社 富士通研究所の 壷井 修 主任研究員にご講演いただきました。
壺井氏は、IT機器の電力と電源に関して解説したのちに、ワイドバンドギャップ半導体が省エネデバイスとして大きな期待がよせられていることを述べました。また、壺井氏が現在取り組んでいるZnO系などの、高耐圧デバイスに関する研究について、紹介をいただきました。さらに現在研究が盛んに行われているエネルギーハーベスティングデバイスの有力な候補としてZnO系熱電変換デバイスの研究について紹介していただきました。
これらの半導体デバイスがどのように省エネルギーに貢献できるかがよく理解できる講演になりました。
 4番目は「低炭素社会構築に向けた次世代LED照明の市場動向と開発状況について」と題して電通通信大学 情報理工学研究科の 内田 和男 准教授に講演をいただきました。現在のLED照明と蛍光灯を比較して、省エネルギーの観点からは大きな差がなく、その上で、LED照明は長寿命であることに意味があることを解説していただきました。また、現在のLED照明はGaN系のLEDを用いており、Ga等の貴重な資源を必要することが課題で、これに代わる材料の研究が欠かせないとの指摘をいたしました。
 今回の研究開発セミナーは省エネルギーという非常に範囲の広いテーマで行い、講演も、制御、電源、デバイス、照明と広い内容になりました。参加者のアンケート結果では、全講演に対して非常に好評で、「目的に合致しており有意義な時間を過ごせた」等の好意的な意見が得られました。

88回セミナー
第88回研究開発セミナーの様子

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お知らせ

産学官連携センター運営委員会

 平成24年7月24日(火)、本センター4階研修室において第19回産学官連携センター運営委員会が以下の議題で開催されました。

  1. 共同研究、受託研究の受入れについて
  2. プレベンチャールームの使用について
  3. 電通大の外部資金獲得に関する分析
  4. その他報告事項

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対外活動と社会貢献

もうかりメッセ東大阪2012 in東京

 平成24年6月27日(水)〜28日(木)、Big Sightにおいて東京における初めての表記展示会が開催され、本学も産学連携の取り組みについて展示しました。小島コーディネータ、田口特任教授が参加しました。

テクノトランスファー in かわさき2012

 平成23年7月11日(水)〜13日(金)、川崎の神奈川サイエンスパーク(KSP)において表記展示会が開催され、田口特任教授が参加しました。

Micromachine/MEMS、ROBOTECH 2012

 平成23年7月11日(水)〜13日(金)、Big Sight において表記展示会が開催され、比企コーディネータ、田口特任教授が視察しました。

関東甲信越地域会議(全国CD活動NW)

 平成24年7月18日(水)、19日(木)、本学において表記会議が開催され、関東甲信越から100名を超える産学連携コーディネータが集まりました。

大阪ガスオープンイノベーション説明会

 平成24年7月20日(金)、第3年目となる表記説明会が本学において開催され、関東各地から50名を超える産学連携に係わる方々が参加され、熱心に説明を聞かれていました。

第11回産学官連携推進会議およびイノベーションジャパン(大学見本市)2012

 平成24年9月27日(木)、28日(金)の2日間、有楽町の東京フォーラムに於いて第11回産学官連携推進会議と9回目となる恒例のイノベーションジャパンが開催されました。
 産学官連携推進会議では梶谷学長がスーパー連携大学院について講演しました。
 イノベーションジャパンでは先進理工学専攻 範 公可 准教授の「脳型情報認識デバイス「SLID」のFPGAへの実装」、知能機械工学専攻横井 浩史 教授の「5指ハンドを用いた乳幼児用の筋電義手の実用化研究」、先進理工学専攻野崎 眞次 教授の「フレキシブル基板上高品位MOS作製用の特異な材料とプロセス」、先端ワイヤレスコミュニケーション研究センター 早川 正士 客員教授の「電磁気現象を用いた地震予知」の4研究が展示されました。
 また、新技術説明会では、野崎 教授が27日に「フレキシブル基板上高品位MOS作製用の特異な材料とプロセス」と題して講演しました。

梶谷学長の講演
産学官連携推進会議での梶谷学長の講演

野崎教授の新技術説明会
新技術説明会での野崎教授のプレゼンテーション

横井研究室の展示
横井研究室の展示

範研究室の展示
範研究室の展示

野崎研究室の展示
野崎研究室の展示

早川客員教授の展示
早川客員教授の展示

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