産学官連携ニュース No.13 Web版
発行:2012年6月25日
目次
第8回 産学官連携 DAY in 電通大 開催報告
報告:産学官連携センター 特任教授 田口 幹
平成24年6月6日(水)に「第8回産学官連携 DAY in 電通大」を開催しました。当日朝方は小雨で、天候を心配しましたが、お昼前には雨もやんで、何とか一日持ちこたえました。また、お陰様で参加人数も過去最高を更新して盛大に開催することが出来ました。ご参加いただきました皆様に感謝申し上げます。
「産学官連携 DAY in 電通大」は、本学の産学官連携活動を一堂に集めて公開し、企業の皆様に見て、知っていただく機会として毎年開催して8年目を迎えました。今年は、学外から754名(昨年は518名)、学内からの参加者を加えると推定ですが1,000名以上が参加したと思われます。
基調講演に先立ち梶谷誠学長が、「産学官連携 DAY in 電通大」への参加のお礼の挨拶をしました。
基調講演では、内閣府総合科学技術会議議員・前東京工業大学長の相澤 益男先生が「グローバル時代の科学技術イノベーション政策」と題して講演されました。今年度も大学院ベンチャー・ビジネス特論の授業を一般公開して、また、本学のMOTスクールである「技術経営実践スクール(MMPS 2012)」の社会人受講生も同時に受講、一般参加者も含め合計222名が聴講しました。
研究室公開・紹介は、今年も大学院生を募集するための大学院のオープンラボ(産学官連携 DAYでの研究室公開53研究室を合わせて161研究室を公開)と同時開催で過去最高の研究室を公開しました。昨年同様自由に見学出来る研究室公開の時間を2時間30分設けました。研究室紹介では、時間帯をずらして、主に教員が20分で研究内容を紹介しました。
今年もセミクローズドな会としてランチミーティングを実施しました。昨年度の反省から、今年は名刺交換などの時間を配慮して参加人数を制限してみました。会場は80周年記念館1階としました。参加者は62名(昨年度103名)で、梶谷学長はご不幸があり参加いただけませんでしたが、三橋 研究担当理事、中嶋 産学官連携センター長、唐沢 産学官連携支援部門長が出席しました。会場では、午後の研究室公開に積極的に参加して頂くために、公開する研究室の情報を集約した「研究室公開特別版」の冊子を用意しました。この冊子ではQRコードで各研究室のホームページへ直接リンクできるようにしました。
西11号館(イノベーション研究棟)では入居企業5社が、自室を公開すると共に、事業内容のプレゼンを行いました。同時に1階ロビーにブースを設け、本学発のベンチャー企業3社が展示しました。
本学と産学連携協力協定を締結している多摩信用金庫からは、石垣理事、長島部長をはじめ多くの職員が参加しました。昨年同様、研修中の新人職員83名全員が研究室公開見学に参加しました。これは昨年同様、店舗に配属になる前の段階からお取引先の課題解決の手段として産学連携があることを認識していただくことにありました。また、本学としては、電気通信大学に対して親しみを持ち、企業から技術課題に関する相談があれば、電気通信大学を紹介できるという認識を持っていただくこともねらいとしました。
また、例年通り、共同研究成果報告会、先端ワイヤレスコミュニケーション研究センター講演と公開、研究設備センター設備(旧機器分析センターとサテライトベンチャービジネスラボラトリー)公開、共同研究相談会(本学の産学官連携コーディネータと(株)キャンパスクリエイトの産学連携コーディネータ)、特許相談コーナー(知的財産部門)、各種ポスターセッション(平成22年度電通大発ベンチャー・事業化シーズ創出支援事業、学生・一般アイディアコンテスト優秀賞成果報告)を開催しました。
来年は、平成25年6月5日(水)に開催する予定です。多くの皆様のご来場をお待ちしています。どうぞよろしくお願いいたします。
産学官連携 DAY の様子は こちら でご覧いただけます。
第17回 共同研究成果報告会
産学官連携支援部門 特任教授 田口 幹
第8回産学官連携 DAY in 電通大の一環として第17回共同研究成果報告会を開催しました。発表されたのは以下の6件でした。
1.新規金属錯体に関する研究
〜有機物と金属を組み合わせた磁性材料の開発〜
○金友 拓哉、石田 尚行(電気通信大学
小金 民造(K-arin21)
2.スマートフォン上への多機能パルスオキシメータの実装
○金澤 和隆、西 一樹(電気通信大学)
谷川 倫章、貝沼 満(オータックス)
3.動き輪郭抽出システムに関する研究とサッカーハイライトシーン検出への応用
○植村 公保、森田 啓義(電気通信大学)、
I Gusti Bagus Baskara Nugraha(バンドゥン工科大学)
保坂 理人(東京エレクトロン ソフトウェア・テクノロジーズ)、
宮内 榮三(アイベックステクノロジー)
4.CMOSの超低電圧動作を実現するナノトランジスタ構造デバイス
超低電圧LSI設計プラットフォーム開発
○石橋 孝一郎、範 公可(電気通信大学)
杉井 伸之(超低電圧デバイス技術研究組合)
5.ホタル生物発光系をモデルと した人工発光系の創製と実用化
○岩野 智、牧 昌次カ、伊藤和人、北田昇雄、丹羽治樹(電気通信大学)
6.電波反射箱による携帯電話基地局アンテナの放射効率測定に関する研究
○大島 一郎 (電気興業)
唐沢 好男(電気通信大学)
口頭発表分と報告のみの論文を含む「第17回共同研究成果論文集」を発行しました。
送付ご希望の方は産学官連携支援部門までご連絡ください。無料で送付いたします。
JST「電気通信大学 新技術説明会」報告
産学官連携センター 特任教授 産学官連携コーディネータ 比企 春夫
独立行政法人科学技術振興機構(JST)は、大学などの研究成果の実用化を促進するため、発明者自身が企業関係者を対象に、実用化を展望した技術説明をすることで、広く実施企業・共同研究パートナーを募る「新技術説明会」を開催しています。
この新技術説明会は、未公開特許を含む、ライセンス可能な特許技術を紹介する機会として、たいへん好評なものとなっています。
今回で5度目になるJST/電気通信大学 新技術説明会は、説明のすべてが未公開特許技術となり、これまでになく多くの参加者を迎えることができました。
事前申込み者数は194名、当日受付けが10名の合計204名となりました。当日は、残念ながら冷たい雨が降り、出席者数は伸びませんでしたが、会場はほぼ満席状態で、充分よい結果となりました。
今後、技術相談、共同研究に向けての面談などのフォローを(株)キャンパスクリエイトのコーディネーターと協力して、進めて参ります。
日時:2012年5月15日(火)13:00〜16:50
会場:JST東京別館ホール(東京・市ヶ谷)
主催:国立大学法人電気通信大学、独立行政法人科学技術振興機構
共催:株式会社キャンパスクリエイト(電気通信大学TLO)
後援:社団法人目黒会(電気通信大学同窓会)、独立行政法人中小企業整備機構
協力:全国イノベーション推進機関ネットワーク
<プログラム>
13:00〜13:10 主催者挨拶 国立大学法人電気通信大学産学官連携支援部門長 唐沢 好男
独立行政法人科学技術振興機構 理事 小原 満穂
13:10〜13:15 研究成果の実用化に向けて〜JSTの産学連携・技術移転支援事業のご紹介〜
科学技術振興機構 産学連携展開部 酒井 尚子
13:15〜13:20 全国イノベーションネットのご紹介 全国イノベーション推進機関ネットワーク
事務局長 梶川 義実
13:20〜13:50 ユーザの所望する質感や感性を表す言葉の生成システム
准教授 坂本 真樹
13:50〜14:20 焦点の異なる複数画像から全焦点画像の合成方法
教授 張 煕
14:20〜14:50 メモリーベースアーキテクチャによる超高速な情報検出デバイス
准教授 範 公可
14:50〜15:00 休憩
15:00〜15:10 電気通信大学の産学官連携活動の紹介
教授 田村 元紀
15:10〜15:20 (株)キャンパスクリエイトの(TLO)の活動紹介
(株)キャンパスクリエイト 代表取締役社長 安田 耕平
15:20〜15:50 指先等による力の方向と大きさ、及びすべり方向を検出できるセンサ
教授 下条 誠
15:50〜16:20 RFIDタグの二次元平面上での位置推定センサ
准教授 奈良 高明
16:20〜16:50 無線通信でのノイズを用いた地震予知法
客員教授 早川 正士
16:50 閉会挨拶 産学官連携センター長 教授 中嶋 信生
<名刺交換・個別相談>
各技術説明の後、展示コーナーでの名刺交換および別室での個別相談が行われました。個別相談件数は10件に及びました。
新技術説明会の様子
新技術説明会の様子
お知らせ
人事
平成24年4月1日、萩野前センター長から中嶋信生教授に産学官連携センター長が交代しました。同日より田口准教授が特任教授になりました。
また、平成24年5月1日付けで専任教授として田村元紀教授が着任しました。
産学官連携センター運営委員会
平成23年5月11日(金)、本センター4階研修室において本年度第1回目の産学官連携センター運営委員会が以下の議題で開催されました。
- 共同研究、受託研究の受入れについて
- 電通大発ベンチャーの認定、インキュベーション施設使用及び更新等に関する申合わせについて
- インキュベーション施設ベンチャー支援ルームの使用について
- 知的財産部門の業務における外部機関の活用について
- その他報告事項
新任のご挨拶

(田村元紀:平成24年5月1日着任)
産官学それぞれの立場で活動してきた経験を電通大で活かしたいと思います。企業では、共同研究を総括していましたが、当時は情報が不十分でした(丸善出版:企業研究資金の獲得法)。文科省では、レアメタルなど資源問題解決に通じる「元素戦略」を企画し、省庁や学協会の有力者間の連携の難しさと醍醐味を経験。東工大や農工大では、教員の研究業績解析とそれに基づく社会課題への挑戦など、全学企画にも携わりました。データ収集に苦労しましたが、大学の様々な視点や潜在能力に大きな可能性を実感しています。
研究領域の奥行きを知ったり、不可能と思ったことが達成できたりする感動を共有し新たな創造につながる連携が仕組めればと考えています。今後ともよろしくお願い申し上げます。
対外活動と社会貢献
西京信金ビジネス交流会
平成24年4月12日(木)、新宿のハイヤットリージェンシー東京において、表記交流会が開催され、小島コーディネータ、中野コーディネータ、田口特任教授が参加しました。300社以上がブース展示を行い、大変盛況な交流会でした。今年は(株)キャンパスクリエイトも出展しました。
西武信金首都圏地域支援ネットワークミーティング
平成24年5月11日(金)、西武信用金庫本店ホールにおいて首都圏地域支援ネットワークのミーティングが開催され、比企コーディネータと田口特任教授が参加しました。
新任教職員への説明会
平成24年5月17日(木)午前、本センター4階研修室において、今年度本学に着任された教職員の方々に向けて本学の産学官連携についての説明会を開催しました。本学の産学官連携体制、知的財産管理、利益相反マネージメント、安全保障貿易管理などについて説明しました。
産学官連携センター打合せ
平成24年5月23日(水)、4月に交代された中嶋産学官連携センター長と5月に着任された田村教授との引き継ぎもかねて、唐沢産学官連携支援部門長と田口特任教授の4名で今年度の産学官連携センターの活動について懇談しました。
産学連携学会リスクマネジメント研究会
平成24年5月30日(水)、コラボ産学官プラザ in TOKYO において、産学連携学会のリスクマネジメント研究会が開催され、田口特任教授が参加しました。
産学官連携支援部門 客員教授・協力教員の会合・懇親会
平成24年6月19日(火)、本年度の産学官連携支援部門客員教授と学内の協力教員の方々に今年度の本部門の活動方針それぞれの方々のミッションなどを説明する会合が開催されました。終了後ハルモニアにおいて参加者の懇親会を開催しました。
産学連携学会第10回大会
平成24年6月14日(木)、15日(金)の二日間、高知大学を幹事校として本年度の産学連携学会の大会が高知市の高知会館を会場に開催されました。今年は田村教授、田口特任教授が出席しました。産学連携学会は小さな学会ですが、産学連携に係わる400名以上の方々が参加され、100件以上の発表のそれぞれで大変熱のこもった議論が展開されました。
コラボ産学官総会
平成24年6月11日(月)、コラボ産学官プラザ in TOKYO において、今年度のコラボ産学官の総会が開催され、田口特任教授が常任理事に再任されました。また、梶谷学長も参加されました。
第8回産学官連携 DAY の様子
基調講演での学長挨拶
基調講演の相澤先生
ランチミーティング
共同研究成果報告会
AWCC講演会
事業化シーズ創出支援事業成果報告会
アイディアコンテスト優秀賞成果報告
アイディアコンテストポスターセッション
電通大発ベンチャーパネル展示
電通大発ベンチャー発表会
研究設備センター(東6号館)公開
研究設備センター(SVBL棟)公開
研究室公開
研究室公開
たましん新人研修