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産学官連携ニュース No.08   Web版

発行:2011年3月25日

目次

「水ビジネスと中小企業のビジネスチャンスを考える」セミナー開催

報告:産学官連携センター 特任教授 比企 春夫

 平成23年3月9日(水)、80周年記念会館リサージュにおいてグリーンICT研究会主催の表記セミナーが開催されました。
 水ビジネスは、自治体や大企業を中心に大きなビジネスチャンスとなりつつありますが、今後は、中小企業にも参入可能なチャンスがありそうです。そこで、今回、下水道関連における中小企業のビジネスチャンスを考えるセミナーが開催されました。約60名の参加を得て、小島コーディネータの総合司会により進められました。
 まず、基調講演(1) として情報理工学研究科 知能機械工学専攻の 新 誠一 教授から「環境は電気通信の時代」と題して、少子高齢化の流れの中で社会維持のための機械化が必須である。しかし、消費電力を抑える技術がエネルギー消費を抑え、情報の爆発にも対応が可能となる。電気自動車と電力網、下水活用の冷暖房、再生水の活用など、物づくりから事づくりへの転換が必要であるとの講演がありました。
 続いて、基調講演(2) として(財)下水道新技術推進機構の 中里 卓治 企画部長から「下水道技術とビジネスチャンス」と題して、下水道の普及率は74%、下水処理場は全国に約2,100ヶ所ある。豪雨による浸水被害の防止には、高落差接合方式のドロップシャフトを開発し、施工の容易さもあり、好評を博している。資源の高度利用では、膜処理による下水再生水の利用を促進しているが、膜処理の前処理に問題があり、ここにビジネスチャンスがある。更に、消化ガス(メタンが主)を燃料として資源エネルギーの循環活用が可能である。これからの有望技術として、下水道施設間ネットワークがあるとの講演がありました。
 さらに、基調講演(3) として経済産業省の 中村 吉明 立地環境整備課長から「最近の海外の水ビジネスの動向と中小企業のビジネスチャンス」と題して、海外の水ビジネス動向としては、需要が増え続ける中、供給は横ばいあるいは減る傾向にある。水資源は、地域的に偏在していることと、不衛生な水の問題が大きい。シンガポールでは、政府主導でPR活動を行っていて、国内で実績を積み、海外展開の際にアピールするなどして成功している。日本の中小企業としての活路は、@大企業に技術供与、A独自技術の開発、B海外の日系企業への売り込み、C地域コンソーシアムと考えるとの講演がありました。
 次に、事例報告(1) としてセントラル科学(株)の 菊地 知男 代表取締役社長から「下水排水分野へのアプローチ―水質測定器ビジネスの展開例」と題して、誰でも、どこでも簡単に測れる水質測定器の開発・普及を行っている。海外の優れた製品の輸入販売を中心に、ラボタイプ、ポータブルタイプ、オンラインタイプの3用途を揃えている。特に、外国製品でも安心して使っていただけるよう、修理・メンテナンスに力を入れている。ビジネス展開におけるパートナーとして、大学、大学発ベンチャー、下水道局、エンジニアリング会社をあげる、との報告がありました。
 事例報告(2) はアムコン(株)の 佐々木 昌一 代表取締役から「自社開発の汚泥脱水機を世界へ」〜零細企業のゼロからの挑戦〜 と題して、当社は、排水処理施設の維持管理を行っていたが、使いづらいなど既存装置に困っていた。良いものが見つからないので、自社で開発・製造・販売するようになった。10年かけてヴァルート汚泥脱水機を開発し、1991年に販売を開始した。低濃度汚泥の直接脱水が可能、目詰まりしない、省エネ、コンパクトなどの特徴があり、40ヶ国に1,400台を納入した、との報告がありました。
 最後に、産学官連携センターの 竹内 利明 特任教授をコーディネータとして、中里 卓治 氏、菊地 知男 氏、佐々木 昌一 氏をパネリストとしたパネルディスカッションがありました。主に、会場からの質問に応える形で進められたので、多くの質問が発せられ、より詳細な情報を共有することができました。

水ビジネス
セミナーの様子

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第83回研究開発セミナー報告

産学官連携センター特任教授 本多 武、菅谷 寿鴻、前佛 栄

 これからの日本を担い、産業界の期待に応える学生を育て社会に送り出すために、企業、学生、大学間の連携教育の一環であるインターンシップが近年ますます重要になってきている。インターンシップを通じて学生の企業現場での就労体験は学生を大きく成長させ、目を見張るものがある。電通大では毎年企業・団体の支援を戴きながら多くの学生がインターンシップを経験し、その経験を今後の学生生活の糧にしている。
 平成22年度にインターンシップを履修した学生数は167名、学生の受入れを表明戴いた企業・団体数は135に上り、有意義な成果を得て終了することができた。これは企業、団体の大きなご支援と学生の努力があったお蔭である。 企業・団体様にはこの場をお借りして改めて御礼申し上げたい。
 インターンシップを経験した学生が就労体験を通じてなにを得て、今後の学生生活にどのように役立てるか、そして学生を受け入れた企業は、どのように学生を指導教育し、どのような成果、課題があったかを発表する場として「第83回研究開発セミナー 産学連携の人材育成 \ インターンシップ」を平成23年1月27日に企業関係者を中心に70名を越える皆様方にお集まり戴き開催した。
 今回のセミナーでは、住友情報システム株式会社 人事部チームリーダ 西口 真武 殿、富士通マイクロソリューションズ株式会社 藤田 鋼一 社長殿からインターンシップ学生の受け入れ事例の紹介があった。学生からは大学院生4名(情報・通信工学専攻1年 伊藤 雄之 君・・・住友情報システムで研修、同1年 小鷹 剛文 君・・・電気興業で研修、情報ネットワークシステム学専攻1年 西村 剛志 君・・・電子航法研究所で研修、総合情報学専攻1年 有田 洋 君・・・いい生活で研修)、学部生4名(情報通信工学科3年 藤原 大輔 君・・・富士通マイクロソリューションズで研修、電子工学科3年 山幡 琢也 君・・・測位衛星技術で研修、システム工学科3年 平賀 琢磨 君・・・メディアロジテックで研修、人間コミュニケーション学科3年 坂本 彩 さん・・・アンリツで研修)が発表を行った。
 企業からの発表では、他大学生も受け入れた総合的に取り組んでいるインターンシップの活動報告や、また海外企業がインターンシップを通じてどのように学生を教育しているかの貴重な講演もあった。また成果として、学生が企業の事業内容を理解してもらうことに役立った、職場にとって学生の真剣な態度に職場の熱が入り職場の活性化につながったなどの声が聞かれた。
 学生からは、仕事や研究に対しての取り組み姿勢を見直す良い機会になった、またインターンシップがきっかけで大学院進学を決めた、と言った今までにはない発表などがあり、どの学生にも共通していたことは視野が広がったとの感想であった。
 多くの企業・団体から電通大のインターンシップを高く評価戴いており、この評価を大学として更に充実させ、学生は企業の方々から戴いた様々な助言をこころの糧にして残された学生生活をますます充実させることを再度認識してセミナーを終えた。
                    (文責:本多 武)

83回セミナー
第83回研究開発セミナーの様子

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対外活動と社会貢献

産金学官連携研究会

 平成23年1月21日(金)、文部科学省において第1回目の表記研究会が開催され、本学から小島コーディネータと田口准教授が出席しました。
 平成23年2月18日(金)、コラボ産学官プラザ in TOKYOにおいて第2回目の表記研究会が開催され、本学から小島コーディネータが出席しました。

彩の国ビジネスアリーナ

 平成23年1月26日(水)、27日(木)の両日、さいたま市のさいたまスーパーアリーナを会場として表記ビジネスフェアが開催され、700社を超える参加企業がありました。この中の産学連携フェアに本学をはじめとして、29の大学、研究機関が展示しました。本学では総合情報学専攻の庄野准教授の研究室紹介と本センターの紹介を展示しました。本センターから比企コーディネータ、小島コーディネータ、田口准教授が参加しました。

彩の国ビジネスアリーナの展示
彩の国ビジネスアリーナの展示

コラボ産学官 第4回研究成果発表会

 平成23年1月27日(木)、コラボ産学官プラザ in TOKYOにおいて、表記フォーラムが開催され、関心のある多くの企業が参加しました。本学からAWCCの中嶋 信生 教授と唐沢 好男 教授が研究の紹介を行いました。本センターから比企コーディネータが支援しました。

テクニカルショウヨコハマ2011

 平成23年2月2日(水)〜4日(金)の3日間、パシフィコヨコハマにおいて表記展示会が開催され、田口准教授が視察し、先に相談を受けていた参加企業と懇談しました。

大田テクノフェア2011

 平成23年2月3日(木)〜5日(土)の3日間、蒲田の太田産業プラザ(PiO)において表記展示会が開催され、同時に開催された第42回モノづくり受発注商談会に本センターから比企コーディネータ、小島コーディネータ、田口准教授が参加し、参加企業と懇談しました。

第9回知財活用研究会

平成23年2月9日(水)、名古屋駅前イノベーションハブにおいて東海地区の表記研究会が開催され、田口准教授が「電気通信大学における産学官連携と知財活用の取り組み」と題して講演しました。

文部科学省より視察

平成23年2月16日(水)、文部科学省研究環境・産業連携課長以下12名の方々が本学を視察されました。最初に梶谷学長、萩野理事、辻理事、福田理事と懇談された後、本学の産学官連携センター事業及び「自立化促進プログラム」実施体制について田口准教授、堀特任教授、本間特任教授が説明しました。その後、AWCCの山尾教授の研究室、コミュニケーションミュージアム、知能機械工学専攻の横井教授の研究室、情報・通信工学専攻の西准教授の研究室を視察されました。また、竣工したばかりのインキュベーション施設も視察されました。

ISシンポジウム「信頼性とシステム安全学」

 平成23年2月28日(月)、IS棟2階大会議室において第15回目になる表記シンポジウムが開催されました。本センターは例年通り後援し、広報しました。

産学プラザ2011

 平成23年3月3日(木)、府中市のルミエール府中において東京都中小企業振興公社主催の講演会・展示会が開催されました。本学からは知能機械工学専攻の内田准教授が研究を紹介しました。比企コーディネータ、小島コーディネータ、田口准教授が展示と共に支援を行いました。

新産学官連携コーディネーター自己紹介

 本年1月に多摩信用金庫(たましん)より出向し、電気通信大学 産学官連携センターに産学連携コーディネーターとして着任いたしました「米山謙一」と申します。
私は多摩信用金庫に於いて、20年間で6店舗の営業店(本支店)に勤務し多摩地区のものづくり企業をはじめ、数多くのお客さまを訪問し『お客さまの幸せづくり』に貢献すべく、課題解決活動をしておりました。しかし、リーマンショック以降の景気低迷と共に、企業を取り巻く環境も速度を増し変化している中、多摩地域の中小企業も生き残りをかけて新たな取り組みを模索しています。特に多摩地区のものづくり企業における新製品・新技術開発能力は高いものと認識しております。「独自の強み、オンリーワン技術」をもった企業を、最新の「知識・知力」を保有している電気通信大学の先生と学生に数多く知っていただきたいと思います。その為に私は、積極的に多くの研究室と企業を訪問させていただき、先生と企業の「課題解決」の為に汗を流していきたいと思います。また経営者からの声で、よく耳にする事が下記の通りあります。
 @ 産学官連携に興味はあるものの、どの段階で相談したらいいのか?
 A どのくらいの費用と時間が掛かるのか?
 B どこの誰に相談したらいいのか?
 C 先生と話しをしたいが、本当に面談していただけるのか?
 D 大学は敷居が高いと聞いているが、相手にして貰えるのか?
等の事項が挙げられます。今後は、私が先生と企業のコーディネーター役として努めさせていただければと思います。そして、大学側と企業側に相互理解と信頼関係、長期的な連携関係が構築され、電気通信大学が社会貢献・地域貢献を発信している事を広く認知していただければ本望です。
私自身としては、様々なスキルとノウハウまた多くの人脈を築き、地域企業の発展に繋げ、更に数多くの『お客さまの幸せづくり』を実現したいと考えております。まだまだ無能で不慣れな部分もたくさんありますが、皆様のご指導ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。

米山コーディネーター
米山コーディネーター

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お知らせ

産学官連携センター運営委員会

平成23年2月22日(火)、本センター4階研修室において第9回産学官連携センター運営委員会が以下の議題で開催されました。

  1. 共同研究・受託研究の受入れについて
  2. 規定等の制定及び一部改訂について
  3. 特任教員、客員教員及び兼務教員について
  4. 電気通信大学発ベンチャー認定について
  5. インキュベーション施設使用者の選考について
  6. その他報告事項

平成23年3月16日(水)、本センター4階研修室において第10回産学官連携センター運営委員会が以下の議題で開催されました。

  1. 共同研究の受入れについて
  2. 部門長の選出について
  3. 特任教員について
  4. インキュベーション施設について
  5. その他報告事項

インターンシップ委員会

平成22年3月11日(金)、本センター4階研修室において本年度第2回目のインターンシップ委員会が以下の議題で開催されました。

  1. 22年度の活動概要紹介
  2. 3年度の活動予定
  3. その他

第7回産学官連携 DAY in 電通大2011(予告)

来年度の産学連携 DAY in 電通大は6月1日(水)に開催されることが決定しました。当日は大学院のオープンラボも開催され、研究室の公開もあります。詳しいことはホームページでお知らせの予定です。皆様のご参加をお待ちしております。

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