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産学官連携ニュース No.07   Web版

発行:2010年12月25日

目次

第22回国立大学共同研究センター長等会議

産学官連携センター専任准教授 田口 幹

 第22回国立大学共同研究センター長等会議は、当番校である山口大学により宇部市の宇部全日空ホテルを会場として平成22年10月14日(木)、15日(金)の2日間開催され、全国61大学(含むオブザーバーの龍谷大学)の各センターから各センター長、専任教員、研究協力関係事務員など山口大学以外から153人が参加しました。本学からは 唐沢 産学官連携支援部門長、田口 准教授、浅間 研究協力課産学連携係員の3名が出席しました。
 会議は、丸山 卓哉 山口大学長のご挨拶の後、基調講演、所管事項説明を文部科学省研究環境振興局研究環境・産業連携課の 池田 貴城 課長が「産学官連携の現状と今後の展望」と題して講演しました。その後、全体協議で次期当番校を静岡大学とすることを決めた後、2つの分科会に分かれての協議に移りました。
 今回の会議では分科会A「イノベーション力の強化について」および分科会B「法人化後6年を経過しての産学官連携の在り方」の2テーマについて前もって各大学に資料を提出していただき、それを基に詳しい報告と議論を進めるという形で行われました。
分科会Aではサブテーマ「(1) これからの共同研究センター等の役割」について、山口大学産学公連携・イノベーション推進機構産学公連携支援部門長の 近久 博志 教授の司会で協議しました。まず、現在、共同研究センター等は大学における産学官連携の窓口機能を果たすだけでなく、研究プロジェクトを構築・推進、研究成果の知的財産等としての権利化、大学発ベンチャーの支援、研究成果の活用等の要として機能していることをふまえ、各大学において想定している「イノベーションを強力に推し進めるための共同研究センター等の役割」について実状や提言を議論しました。続いて、「(2) これからの産学官連携手法とは」について静岡大学イノベーション共同研究センター長の木村 雅和 教授の司会で、共同研究センター等は、大学のシーズと企業のニーズをつなぐために、説明会や展示会において、マッチングを行い、成果を上げてきた。これからは、これまでのニーズ・シーズマッチングに限らず、出口を見据え、戦略的に研究開発プロジェクトのプロデュースを進めていく必要があることをふまえ、大学の研究成果を企業の事業化まで強力に進めていくための、多様で高度な産学官連携の推進に必要なものは何かについて実状や提言を議論しました。
 分科会Bではサブテーマ「(1) 今までの6年間で変わったこと」をテーマに、横浜国立大学共同研究推進センター河村 篤男教授の司会で、法人化後の6年間における産学官連携活動の中で、各大学は個々の強みを生かし、より実質的な成果を挙げる活動へと重点をシフトさせていることをふまえ、各大学の特色ある活動を紹介するとともに、どのような成果が得られたかを議論しました。「(2) 次の6年間でやるべきこと」について、九州工業大学産学連携推進センター長 鹿毛 浩之教授の司会で、各大学では法人化後の社会情勢や経済活動の変化等、産学連携活動をとりまく環境の変化に対応し、適時適切な見直しを行ってきたことをふまえ、次の6年間ではさらなる自立化に向けて直面する課題に今後注力していくべき対応策について議論しました。
 2日目はまず、地元の(株)ヤナギヤ代表取締役社長の 柳家 芳雄 氏から「小さな街から世界へ“技術”発信」と題する特別講演があり、続いて芝浦大学長、三菱重工業(株)特別顧問の 柘植 綾夫 氏から「21世紀日本新生に向けたイノベーション創出能力の強化策 〜イノベーション牽引エンジンとしての大学の役割を考える〜」と題した大変示唆に富んだ特別講演がありました。その後、前日の分科会のまとめ報告の後、来年度の会議を開催する静岡大学ノベーション共同研究センター長の木村 雅和 教授の挨拶で本会議は終了しました。

丸山 山口大学長
共同研究センター長等会議での丸山 山口大学長のご挨拶

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第82回研究開発セミナー報告

産学官連携センター特任教授 菊地勝浩/山田實

 第82回研究開発セミナーは、「鉄道における移動体通信技術」−無線通信によって変貌するこれからの鉄道−をテーマに以下の要領で開催しました。
  日時:2010年10月19日(火)14:00〜17:40
  場所:電気通信大学 総合研究棟3階306室
  ○「鉄道における移動体通信の特徴と現状」
   財団法人鉄道総合技術研究所信号通信技術研究部通信研究室 室長   川ア 邦弘 氏
  ○ 地下鉄道における無線通信技術と今後の展開
   東京地下鉄株式会社鉄道本部電気部信号通信課 課長     三澤 厚司 氏
  ○ 鉄道サービスへの無線LANの適用と課題 〜沿線無線WANの開発経緯〜
   西日本旅客鉄道株式会社鉄道本部技術部通信システムPT 担当課長   森 崇 氏
  ○ 無線を用いた列車制御システムATACS
   東日本旅客鉄道株式会社鉄道事業本部電気ネットワーク部ATACS-PT 課長  馬場 裕一 氏

 鉄道は、環境に優しいエコな輸送機関として見直されています。鉄道は、環境に優しいのみならず、高速・大量輸送機関でもあり、その安全・安定な輸送を担保しているのが信号通信技術です。
 本セミナーでは、鉄道の安全輸送の核心である信号通信技術、その中でも列車と地上との間で行われる無線通信技術について、この分野の最先端で活躍されている専門家の方々に、わかりやすく講演して頂きました。当日は、定員が約90名の部屋が、文字通り一杯になる沢山の聴講者に参加して頂き、熱心な質疑応答が行われました。
 まず、鉄道総合技術研究所川崎様から、鉄道における移動体通信の使命と特徴について説明して頂き、現在JRで主に用いられている列車無線システムの概要を紹介して頂きました。また、LCX(漏洩同軸ケーブル)の実物を手にとって拝見させて頂きました。会場からは、現在計画されているリニアモーターカーの電磁波の通信への影響や、列車無線の通話可能仕様が99.9%とすると逆につながらないのはどこなのか、といった質問がありました。
 続いて、東京地下鉄株式会社三澤様から、東京地下鉄で導入している無線通信設備の概要について紹介して頂き、今後の無線通信設備の更新に向けた技術開発の動向等について説明して頂きました。会場からは、ミリ波画像伝送装置の伝送速度、列車無線のデジタル化へ向けた予定について質問がありました。
 コーヒーブレークの後、西日本旅客鉄道株式会社森様から、鉄道における移動体IPネットワークを活用する際の重要なポイントや課題について説明して頂きました。研究開発セミナーでは、通常、成功事例の講演が主ですが、森様からはあえて失敗事例も紹介して頂き、コストとメリットのバランスの大切さは、聴講者の方々にとって非常に参考になったようでした。また、関西地区では、車内の液晶広告に対するニーズがほとんど無いことに驚き、東京の一極集中を別な意味で実感させられました。
 最後に、東日本旅客鉄道株式会社馬場様から、世界初の列車制御システムであるATACS(Advanced Train Administration and Communications System、アタックス)の概要と開発経緯、また海外における無線を用いた列車制御システムの動向などについて紹介して頂きました。ATACSは地上設備から信号機を無くしてしまう、まさに画期的なシステムで、会場からもアンテナの性能、地上子の配置間隔、駅構内での位置判断方法、国内外での評価等、多くの質問が寄せられました。この世界初のシステムが、来年(2011年)春から実用化されると伺い、聴講者の皆様も歴史的瞬間に立ち会うことができる喜びをかみしめた講演でした。
 最後に、講演者の方々には、本当にお忙しい中セミナーにご協力頂きました。この紙面を借りてお礼を申し上げます。

82回セミナー
第82回研究開発セミナーの様子

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対外活動と社会貢献

イノベーションジャパン(大学見本市)2010

 平成22年9月29日(水)〜10月1日(金)の3日間、東京フォーラムにおいて恒例のイノベーションジャパンが開催され、本学から知能機械工学専攻の 横井 教授、総合情報学専攻の 坂本 准教授、先進理工学専攻の牧 助教の3研究室を紹介しました。

イノベーションジャパン
イノベーションジャパン2010 横井教授の展示ブース

イノベーションジャパン
イノベーションジャパン2010 横井教授の新技術説明

イノベーションジャパン
イノベーションジャパン2010 坂本准教授のショートプレゼンテーション

イノベーションジャパン
イノベーションジャパン2010 坂本准教授の展示ブース

イノベーションジャパン
イノベーションジャパン2010 牧助教の展示ブース

イノベーションジャパンA
イノベーションジャパン2010 牧助教のショートプレゼンテーション

BOB異業種情報交流会

 平成22年10月5日(火)、立川においてたましんの表記交流会が開催され、比企コーディネータ、小島コーディネータと田口准教授が参加し電通大の産学官連携について相談を受けました。

CEATEC JAPAN 2010

 平成22年10月5日(火)〜9日(土)の5日間、幕張メッセにおいて表記展示会が開催され、本センターは出展しませんでしたが、田口准教授が視察しました。

多摩・産業コミュニティ活性化セミナー

 平成22年10月8日(金)、B棟202講義室において、第5回目となる表記セミナーが「電気自動車+スマートグリッド」をテーマに開催されました。
 平成22年12月13日(月)、本学リサージュにおいて、第6回目となる表記セミナーが「日本製『モノづくり・部品』の揺るがぬ強さ」をテーマに開催されました。

ふちゅうテクノフェア

 平成22年10月22日(金)、23日(土)、ルミエールふちゅうにおいて府中工業技術展ふちゅうテクノフェアが開催され、本センターも展示に参加しました。

ふちゅうテクノフェア
ふちゅうテクノフェアの展示

北見工大訪問

 平成22年11月2日(火)、田口准教授は島根大学産学連携センターの北村教授と共に北見工業大学を訪問し、地域における産学官連携の実態について北見工業大学地域共同研究センターの鞘師センター長、有田教授、内島コーディネータと懇談しました。

ビジネスフェア from TAMA

 平成22年11月5日(金)、新宿NSビルにおいて、西武信金主催の表記展示会が開催され、本学も例年通り参加しました。

ビジネスフェア from TAMA
ビジネスフェア from TAMA の展示展示

産業交流展2010

 平成22年11月10日(水)、Big Sight において今年度の表記展示会が開催されました。今年度は東京都の多摩産業活性化事業の連合ブースがあり、計測器、電子デバイス、ロボットの3分野の展示がありました。

電気通信大学技術懇親会

 平成22年11月16日(火)、りそな財団主催、本センター後援による表記技術懇親会が「ロボット技術の事例紹介とその応用」をテーマに開催されました。今回は知能機械工学専攻の 田中 一男 教授と田口 准教授が研究紹介と研究室見学を行いました。

産学連携学会秋季シンポジウム

 平成22年11月27日(土)、早稲田大学理工学部において産学連携学会の秋季シンポジウムが開催されました。今回は「設立10年を前に産学連携学を考える」をテーマに関連の研究・技術計画学会、日本ベンチャー学会、地域活性学会とのパネルディスカッションもあり、充実したシンポジウムでした。

Embedded Technology 2010

 平成22年12月1日(水)〜3日(金)の3日間、パシフィコ横浜において恒例の表記展示会が開催され、本学から知能機械工学専攻の澤田助教の研究を展示しました。

産学連携学会関西・中四国支部 第2回研究・事例発表会

 平成22年12月3日(金)、香川県高松市の「e-とぴあ・かがわ BBスクエア」において表記研究・事例発表会が開催され、田口准教授が参加しました。35名の参加の下、16件の事例紹介や研究報告がなされました。

ロボットインフラ分科会

 多摩産業コミュニティ活性化事業のロボット技術分野に新しい分科会である表記分科会が設立され本学からは知能機械工学専攻の 末廣 教授と田口准教授がメンバーとなりました。
平成22年12月9日(木)、西立川の産業サポートスクエアTAMAにおいて、第1回目の会合がありました。
平成22年12月17日(金)、西立川の産業サポートスクエアTAMAにおいて、第2回目の会合がありました。

リスクマネジメント研究会

 平成22年12月10日(金)、山形大学荒川サテライトにおいて、産学連携学会の表記研究会が開催され、田口准教授が参加しました。

青梅商工会議所第4回ロボット産業セミナー

 平成22年12月17日(金)、西立川の産業サポートスクエアTAMAにおいて、多摩産業コミュニティ活性化事業のロボット技術分野の表記セミナーが開催され、田口准教授が参加しました。

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お知らせ

産学官連携センター運営委員会

平成22年9月29日(水)、本センター4階研修室において第7回産学官連携センター運営委員会が以下の議題で開催されました。。

  1. 共同研究・受託研究の受入れについて
  2. インキュベーション施設について
  3. その他報告事項

平成22年12月7日(火)、本センター2階215室において第8回産学官連携センター運営委員会が以下の議題で開催されました。

  1. 共同研究・受託研究の受入れについて
  2. 部門長の選考方法について
  3. 共同研究契約書及び受託研究契約書の雛形について
  4. インキュベーション施設について
  5. 発明補償等に関する催促の一部改正について
  6. 特別事業経費等の要求について
  7. その他報告事項

第7回産学官連携 DAY in 電通大2011(予告)

来年度の産学連携 DAY in 電通大は6月1日(水)に開催されることが決定しました。当日は大学院のオープンキャンパスも開催され、研究室の公開もあります。詳しいことはホームページでお知らせの予定です。皆様のご参加をお待ちしております。

研究開発セミナー(予告)

産学官連携センター主催の第83回研究開発セミナー「産学連携の人材育成\」− インターンシップ − を平成23年1月27日(木)13:00〜17:00に電気通信大学 総合研究棟3階301室で開催します。詳しくは下記の本部門のホームページのご案内をご覧ください。参加申込みもこちらからできます。( http://www.crc.uec.ac.jp/pickup/seminar/083.html )

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