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産学官連携ニュース No.06   Web版

発行:2010年9月25日

目次

第23回国立大学共同研究センター専任教員会議報告

産学官連携センター専任准教授 田口 幹

 第23回国立大学共同研究センター専任教員会議は、8月26日(木)、27日(金)に、当番校である佐賀大学により佐賀県武雄市の武雄温泉ハイツで開催されました。
 本会議の公式参加者は、佐賀大学を含む53大学68名でした。文部科学省より2名、佐賀県から1名、佐賀大学より8名を加えて、全出席者は79名でした。会議規則に基づき本年度当番校の佐賀大学産学官連携推進機構の 佐藤 三郎 副機構長を議長に選出した後、幹事会を代表して本年度の幹事長である鳥取大学 長島 正明 准教授から、今回の専任教員会議の趣旨説明がなされました。今年度も、本来の会議の趣旨に立ち返り、専任教員間での情報交換を最大の目的として、時間をかけて議論をすることとなりました。
 第1日目の会議は、佐賀大学 中島 晃 副学長から開会のご挨拶に続き、全体会として文部科学省研究振興局研究環境・産業連携課 技術移転推進室 井上 弘亘 専門官より、基調講演として「産学官連携推進の現状と今後の展望」と題して、講演頂きました。その後、佐賀県最高情報統括監 川島 宏一 氏から「行政と民間との知識交流による行政サービス・イノベーション」と題した講話がありました。
 その後、「大学間連携」、「地方における共同研究センターの役割」、「産学連携プロジェクトの事業評価」、「知的財産の国際化」、「特色ある産学連携事業」の5つの分科会に分かれて、よりつっこんだ報告と議論が重ねられました。2時間を超える議論の後、分科会は終了しました。まだ議論のつきない分科会もありましたが、夕刻からは会場を移して情報交換会を行い、和やかな雰囲気の中、さらに意見交換を深めて第1日目を終了しました。
 第2日目には、再び全体会が開かれ、各分科会コーディネータから、分科会報告が行われ、情報共有が図られました。また、次期幹事および幹事長を選出し、来年度の開催当番校を鳥取大学に決定しました。
 前回の会議から、十分な分科会の時間を確保するためと、専任教員間の懇親の時間を十分に取るため、温泉に泊まり込んで、専任教員会議を実施しましたが、今年も非常に好評であったため、次年度以降も今年以上に十分な時間を取って、情報交換ができる専任教員会議の開催を期待することが確認されました。
 会議終了後の午後にはオプショナルツアーとして、地元の(株)中山鉄工所と東亜工機(株)の工場見学が行われ、20名ほどが参加しました。

武雄温泉新館
武雄温泉新館(辰野金吾 設計)

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第81回研究開発セミナー報告

産学官連携センター特任教授 桑江 良昇

 第81回研究開発セミナーは、『「植物工場 」−食料・環境・エネルギーに関わる問題解決を目指して−』、を基調テーマに以下の要領で開催しました。
   日 時:2010年7月6日(火) 13:30〜17:00
   場 所:電気通信大学 B棟2階 202講義室
   参加者:119名
 ○「人工光型植物工場の課題と将来性」 〜省資源・環境保全的な高品位植物生産システムの構築〜
   千葉大学 元学長・名誉教授・客員教授 古在 豊樹 様
 ○「人工光型植物工場のビジネス展開」 〜商業としての農業〜
   (株)みらい 代表取締役 嶋村 茂治 様
 ○「植物工場野菜の育成」 〜安全な野菜を安定供給〜
   (有)アーバンファーム 社長 白尾 格 様
 ○「野菜業界の動向と、東京デリカフーズの戦略」 〜付加価値の高い野菜流通を目指して〜
   東京デリカフーズ(株) 経営企画室長 有井 雅幸 様
 安全、安定な食料の確保が強く求められ、植物工場への注目も日ごとに高まっています。環境、エネルギーの観点から植物工場に寄せられる期待も大きいものがあります。
 本セミナーでは、植物工場の総論(全体概要)から各論(工場システム、野菜育成、流通)について、それぞれの専門家/経営者から、分かりやすく説明していただきました。蒸し暑い中にも関わらず、多くの聴講者が参加し、熱心な質疑が展開されました。
 まず千葉大学古在様は、基調講演として、全体概要を話しました。人工光型植物工場の特性として、地産地消であること、高齢者・障がい者も従事できることなど、さらに植物生産システムとして見た場合、露地栽培に較べて1万倍単純化されると述べました。一方では解決すべき課題も工学技術的なものを含めて存在することを指摘し、現在稼動している植物工場は全部が上手く行っている訳ではないと述べました。会場から、LEDの適用可能性・時期に関する質問等がありました。
 続いて株式会社みらい嶋村様は、工場システムの観点から、同社で扱っている人工光型植物工場について、特長や実例を紹介しました。植物工場は、ハードとソフトの両方が揃って始めて機能すると述べ、前者はコスト面、後者は品質面、に夫々大きく影響することを説明しました。会場からのロボットによる省力化の可能性に関する質問に対して、苗の移しかえ(移植)作業が自動化されるとインパクトが大きいと回答しました。
 この後、有限会社アーバンファーム白尾様は、実際に植物工場を経営している立場から、同社で育成している野菜、設備概要、および栽培工程について写真を使って分かりやすく説明しました。10年前に同社を創業したが、当初は特に販売で苦労したと述べました。会場から、雑菌対策としての養液管理に関する質問があり、現実には養液に起因する病気はないが、オゾン殺菌を計画していると回答しました。その他、経営に関する質問もありました。
 最後に東京デリカフーズ株式会社有井様は、野菜の流通という観点からの話をしました。わが国の食品関連産業は約80兆円であるが(H19年)、食料自給率は年々減っていることを述べました。食に関する消費者ニーズを踏まえて、野菜の評価基準として「デリカスコア」を作成したことを説明しました。会場から当該デリカスコアの国際標準化へ向けて前向きに対応されたらどうかとのコメントがありました。
 なお、前半と後半との間の休憩時間および後半終了後の時間に実施した講師と聴講者との名刺交換会も大変盛況でした。また、植物工場で生産した野菜を展示し、実物を見てもらいました。

81回セミナー
第81回研究開発セミナーの様子 (右の机上に植物工場野菜の展示)

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TOKYO産学公連携合同フォーラム2010

産学官連携支援部門 准教授 田口 幹

 昨年度に続き、東京都に立地する国公私立大学及び研究機関・東京都中小企業振興公社・東京商工会議所等14団体が結集し、「TOKYO産学公合同フォーラム2010」を秋葉原ダイビルの首都大学東京秋葉原キャンパスにおいて開催しました。今回は「産学公連携コーディネータによるコーディネータ実務者のためのフォーラム」と題して、地域で活躍するコーディネータの方、中小企業振興に尽力されている方々を対象として、新時代の東京が求める産学公連携方策について、積極的に情報交換し、新しい産学公連携に踏み出すことを目的としました。
 最初に、産学連携学会会長の群馬大学 伊藤 教授から「コーディネータに何を期待するのか?」と題した基調講演が有り、大変示唆に富んだお話しを伺いました。続いて参加各機関が5分ずつ各機関の産学公連携への取り組みを発表すると共に、各ブースでポスターによる展示を行いました。その後の情報交流会も大勢の方々が参加され大いに盛り上がりました。
 東京圏の国公私立大学のジョイントによるイベントは大変期待を集め、参加者は122名を数えました。
参加機関は、産業技術総合研究所、首都大学東京、中央大学、筑波大学、電気通信大学、東海大学、東京海洋大学、東京商工会議所、東京都中小企業振興公社、東京農工大額、東京理科大学、都立産業技術研究センター、(学)日本医科大学、日本大学の14機関でした。

基調講演
産学連携学会会長 伊藤教授の講演

ポスター
ポスターによる展示

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お知らせ

研究開発セミナー(予告)

 産学官連携センター主催の第82回研究開発セミナー「鉄道における移動体通信技術」− 無線通信によって変貌するこれからの鉄道 − を10月19日(火)14:00〜17:40に電気通信大学 産学官連携センター4階研修室で開催します。詳しくは下記の本部門のホームページのご案内をご覧ください。参加申込みもこちらからできます。( http://www.crc.uec.ac.jp/pickup/seminar/082.html )

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対外活動と社会貢献

青梅商工会議所ロボット産業セミナー

  平成22年7月2日(金)、東京都中小企業振興公社セミナールームにおいて第1回目の表記セミナーが、また、8月6日(金)には同所で第2回目のセミナーが開催され、田口准教授が参加しました。本セミナーは東京都の都市機能活性型産業振興プロジェクトの一環で、本学も協力しています。

テクノトランスファー in かわさき2010

 平成22年7月7日(水)〜9日(金)、川崎の神奈川サイエンスパーク(KSP)において表記展示会が開催され、田口准教授が参加しました。

産業振興機関連絡会議

 平成22年7月8日(木)、東京都中小企業振興公社多摩支社において表記会議が開催され、田口准教授が参加しました。多摩地区のキャンパスのある11大学と産業技術総合研究所、情報通信研究機構から担当者が出席しました。

第2回ROBOTECH

 平成22年7月28日(水)〜30日(金)、Big Sight において表記展示会が開催され、本学から金子研究室、田口研究室がブース展示を、長井研究室が実演展示をしました。

第4回多摩・産業コミュニティ活性化セミナー

 平成22年7月22日(木)、本学B棟201講義室において表記セミナーが「オンリーワン技術への挑戦」をテーマに開催されました。

首都大学東京産学公交流会2010

 平成22年7月26日(月)、首都大学東京南大沢キャンパスにおいて表記交流会があり、比企コーディネータ、小島コーディネータ、田口准教授が参加しました。ポスター発表と研究室ツアーなど盛りだくさんの交流会でした。

コラボ産学官学長フォーラム

 平成22年9月17日(金)、タワーホール船堀においてコラボ産学官発足6周年を記念して記念事業としてコラボ産学官加盟の8大学の学長による「大学の研究戦略と地域活性化」をテーマに、第5回学長フォーラムが開催され、本学の梶谷学長も参加しました。

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